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最終更新日:2026年10月16日
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学際日本文化論演習IV
女性作家の技巧を読む
技巧的な小説といえば、大正期に新技巧派と呼ばれた芥川龍之介や、その影響下に出発した太宰治、戦後に活躍した三島由紀夫・安部公房ら、また「第三の新人」以降の作家たちなど、多くは男性作家の作品に注目が集まる。一方、女性作家は感性・感覚や文体の点から評価される傾向が強く、それは現在の社会でも大なり小なり続いている。そこでこの授業では、女性作家による技巧的な短篇小説を取り上げ、あえて感性・感覚・文体等への注目を排し、その技巧を正面から読解することを試みる。
ただし、これはもちろん、女性の作家を男性作家と同等の位置に引き上げることで再評価を試みるものではないし、小説の読解という点に限って言うなら、本質的には書き手の性別はさほどの意味を持たない。にもかかわらず、あえてここで女性の書き手による作品に限定するのは、文学史やアンソロジーなどで女性作家の代表作のみを読むと、えてして上記したような傾向の作品が多くなりがちなためである。また、一般的な/文学史上の知名度の影響もあって、単純にジャンルや時代で区切って作品を選んだ場合、女性作家の作品が選ばれることが少なくなりがちだという問題もある。
こうした観点から、本授業ではあえて女性の作家に限ることによって、読む機会がかならずしも多くない、しかしすぐれて技巧的な短篇小説に光を当て、文学史への視野を広げると同時に、小説を正確に読解し、読み拓く方法を学ぶものである。繰り返すが、書き手を女性に限定するのは、少なくともこの授業では作品選定上の問題であり、歴史的な性役割を問題化し、それを批判的に捉えなおす/考えなおすことを目的とした授業ではないことには注意されたい。
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