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最終更新日:2024年4月22日

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比較芸術論演習(2)

音楽と「場」の混淆 Music and the mixture of “places”
この授業では、特定の知識・方法の伝達よりも、音楽について考えるための新たな視点を得ることに主眼を置く。すなわち、音楽を「場」とその混淆という観点から検討するものである。
個々の音楽文化は特有の「場place」を形成する。その「場」に参与する人々は一定の振る舞いの作法を身につけ、実践する(クラシック演奏会における聴衆の振る舞いなど)。そして、そうした「場」はある程度制度的な空間(コンサートホールなど)としてイメージすることができるが、それに限定されるわけではない。
人々が集う以上、そうした空間は一定の公共的性格を持っている。それは、その空間に「音楽」以外の要素が含まれる可能性を開く。そこに生じるのは、特定の空間における複数の「場」の混淆という事態である。例えば、多くのライブハウスは飲食を提供する。そこで人びとは音楽を演奏し、聴くと同時に、飲食をも行う。つまり、そこでは「音楽」の「場」と「飲食」の「場」が混淆するのである。路上ライブが行われるとき、街路は「音楽」と「交通」の「場」が混淆する空間となる。あるいは美術館で演奏が行われるときには、「美術」と「音楽」の「場」が混淆しうるだろう。
そうした混淆によって、人々の振る舞いはどのように影響されるのか。あるいはそうした空間が生じた地理的・歴史的な背景とは何か等々。これらについて考えることは広い意味での音楽文化の様態を改めて考える契機となるはずである。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C1223
FAS-CA4D31S1
比較芸術論演習(2)
岡野 宏
S1 S2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
※履修者の人数・関心に応じて、変更する可能性があります 1 イントロダクション 2 事例紹介:大阪朝日会館(戦前) 3 事例紹介:大阪朝日会館(戦中・戦後)、個人発表相談 4 事例紹介:新宿駅西口地下広場、原宿歩行者天国 5 概念紹介:「聴取の類型」(アドルノ)、個人発表 6 概念紹介:「音風景」(シェーファー)、個人発表 7 グループワーク 8 概念紹介:「風営法」「道交法」、グループワークフィードバック 9 概念紹介:「接触領域」(クリフォード)、個人発表 10 概念紹介:「関与配分」(ゴフマン)、個人発表 11 概念紹介:「戦術」(セルトー)、個人発表 12 概念紹介:「なわばり」(アルトマン)、個人発表 13 全体のまとめ
授業の方法
対面授業です(初回はオンラインで行います)。1回を105分で行います。各履修者の関心に基づく個人発表とディスカッションが中心になります。そのための下地として第2回から第4回では教員による事例紹介を行います。第2回および第3回で扱う大阪朝日会館は戦前から戦後にかけて大阪の中之島に存在した文化施設です。 また第5回以降の各回の冒頭では、思考の助けになるような概念・視点の提示を教員から行います。また、二回を学内で完結できるようなグループワークとそのフィードバックに当てたいと考えています(内容は相談の上、決定します)。授業運営にあたっては各人の積極的・主体的な参加が望まれます。
成績評価方法
授業内で行った個人発表をもとにした学期末レポート(80%)と授業への参加(20%)。
教科書
なし。
参考書
授業内で適宜提示します。
履修上の注意
個人発表で扱う題材の選択のためには、ある程度、特定の音楽文化とその環境についての自分なりの知識があったほうが望ましいです(体系的である必要はありません)。むしろそれを活かすことを期待します。
実務経験と授業科目の関連性
なし。