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最終更新日:2024年4月22日
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比較芸術論演習(2)
音楽と「場」の混淆
Music and the mixture of “places”
この授業では、特定の知識・方法の伝達よりも、音楽について考えるための新たな視点を得ることに主眼を置く。すなわち、音楽を「場」とその混淆という観点から検討するものである。
個々の音楽文化は特有の「場place」を形成する。その「場」に参与する人々は一定の振る舞いの作法を身につけ、実践する(クラシック演奏会における聴衆の振る舞いなど)。そして、そうした「場」はある程度制度的な空間(コンサートホールなど)としてイメージすることができるが、それに限定されるわけではない。
人々が集う以上、そうした空間は一定の公共的性格を持っている。それは、その空間に「音楽」以外の要素が含まれる可能性を開く。そこに生じるのは、特定の空間における複数の「場」の混淆という事態である。例えば、多くのライブハウスは飲食を提供する。そこで人びとは音楽を演奏し、聴くと同時に、飲食をも行う。つまり、そこでは「音楽」の「場」と「飲食」の「場」が混淆するのである。路上ライブが行われるとき、街路は「音楽」と「交通」の「場」が混淆する空間となる。あるいは美術館で演奏が行われるときには、「美術」と「音楽」の「場」が混淆しうるだろう。
そうした混淆によって、人々の振る舞いはどのように影響されるのか。あるいはそうした空間が生じた地理的・歴史的な背景とは何か等々。これらについて考えることは広い意味での音楽文化の様態を改めて考える契機となるはずである。
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