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最終更新日:2024年4月22日

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比較日本文化論I

文字解読から「主題模型」(topic modelling)へ デジタル・ヒューマニティーズ(digital humanities)を取り入れた江戸時代の思想・文化史へのアプローチ--高井蘭山(1762-1839)『淫事養生解』を例に
デジタル化が進む現在、デジタル化されたデータを使った定量分析などによる研究が当たり前になりつつあります。人文系の学問も例外ではありません。デジタル・ヒューマニティーズの技法が進化しつつあります。しかしその技法を使うにはデジタル化されたデータが欠かせない条件であり、検索可能なフルテクストのデータバンク作成が立ち遅れている日本研究の分野においては、研究者が分析したいデータを自分で用意し利用するコツを身につけていることは大変有用です。
この授業は高井蘭山とその作品の『淫事養生解』を取り上げて、板本の文字の解読からRstudioというソフトウェアを応用して「主題模型」(topic modelling)を用いるまでの過程を紹介しています。参加者は、初心者である担当者とともに幾つかの便利なツールを使いながら、基本的な操作法を学ぶことができるでしょう。副次的な狙いは江戸時代の指南書を代表している『淫事養生解』を原本のままで読み、英語による翻訳を練習することです。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C1219
FAS-CA4D25L1
比較日本文化論I
KINSKI Michael
A1 A2
集中
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講義使用言語
英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
2019年11月6日(水)、13日(水)、20日(水)、27日(水)3限~5限 (最終日27日は公開研究会を兼ねて6限まで行います。) 1.はじめに――授業の概要 2.海外における日本研究――ドイツの場合 3.文字解読 4.文字解読 5.文字解読 6.幕間 翻訳練習 7.社会ネットワーク分析 8.社会ネットワーク分析 9.幕間 翻訳練習 10.Rstudioによる分析 11.Rstudioによる分析 12.Rstudioによる分析 13.まとめ(公開研究会)
授業の方法
主にグループワーク形式、若干の講義や討論。
成績評価方法
レポートの提出をもとめます。レポートの内容は文書の解読など授業で使った手法による練習(実践)とする予定です。
教科書
なし。
参考書
Bingenheimer, Marcus, Jen-Jou Hung, Simon Wiles (2011): “Social Network Visualization from TEI Data.” Literary and Linguistic Computing 26(3): pp. 271-278. Jockers, Matthew (2014): Text Analysis with R for Students of Literature, Cham etc.: Springer. 片渕美穂子 (2002)「養生における身体認識――欲を孕む身体」、『スポーツ史研究』15: pp. 47–60. Kinski, Michael (2003): „Admonitions Regarding Food Consumption. Takai Ranzan’s Shokuji kai. Introduction, Transcription and Translation“, Japonica Humboldtiana 7: pp. 123–178. Kinski, Michael (2005): „Materia Medica in Edo Period Japan. The Case of Mummy. Takai Ranzan’s Shokuji kai, Part Two“, Japonica Humboldtiana 9, pp. 55–170. 北澤一利 (2000)『「健康」の日本史』、平凡社新書068. Koch, Angelika (2013): „Sexual Healing. Regulating Male Sexuality in Edo-period Books on ‚Nurturing Life‘“, International Journal of Asian Studies 10.2: pp. 143–170. Moretti, Franco (2013): Distant Reading, New York: Verso. 村上義明 (2017)「高井蘭山の家系と著述活動」、『近世文芸』106: pp. 43-55. Shirasugi Etsuo (2001): „Envisioning the Inner Body in Edo Japan. The Inshoku yōjō kagami (Rules of Dietary Life) and Bōji yōjō kagami (Rules of Sexual Life)“, in Kuriyama Shigehisa (Hg.): The Imagination of the Body and the History of Bodily Experience, Kyoto: International Research Center for Japanese Studies, pp. 31–49. 瀧澤利行 (2003)『養生論の思想』、世織書房.
履修上の注意
●履修のための条件 遊び心、好奇心、開かれた世界観、読書を厭わないこと、江戸時代の思想・文化史に対する関心、デジタル・ヒューマニティーズ(digital humanities)に対する強い関心。授業でのパソコンの使用を基本としますので、ラップトップ(laptop)を持ってくること(スマートフォン、AndroidとiPadのタブレット端末は無用)。 ●授業使用言語 日本語、英語(翻訳実施の際のみ)