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最終更新日:2025年4月21日
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比較文化論I
19世紀フランス文学とエコロジーー科学と自然信仰のあいだ
本授業は講義形式で、19世紀後半のエコロジーの思想を概観する。エミール・ゾラを中心的な対象とはするが、ゾラにとどまらず、哲学者テーヌ、歴史家ミシュレ、地理学者エリゼ・ルクリュ、また印象派のモネやルノワールなども取り上げる。19世紀後半は科学的実証精神が大きく広がり超自然的なものの権威が低下した時代である。この時期、超自然に代わるように自然が注目され、自然と人間との間に新しい関係性が作られる。この関係性は、カトリック国であるフランスにふさわしく、ある種の神話性、宗教性を持つ。21世紀の現在、エコロジーは世界的に大きなテーマとなっているが、それは純粋に合理的目的から地球環境の改善を図ろうとするものではなく、ディープエコロジーをはじめある種の宗教性をも帯びている。科学的な時代に何か信じるものを自然に求める精神の基礎は19世紀後半に築かれたように見える。この時代を振り返りながら、現代についても理解を深めてほしい。
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