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最終更新日:2026年10月16日
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比較文学論I(1)
再魔術化する近代ー19世紀フランスにおける環境的自我の成立
近代は脱魔術化の時代として理解されることが多い。文学者シラーが嘆いていたように、神話的で美しい世界理解が、近代を通じて、科学的なものの見方に圧倒され崩れていったかのように語られることが多い。こうした理解は、近年の環境保全思想の隆盛とともに強化されていっているが、学術的には過度な単純化と言わざるを得ない。本講義ではあえて近代を再魔術化の時代として提示する。詩と科学は相殺し合うのではなく、むしろ協力しながら、これまで神話的な理解に固定されていた世界を揺るがし、そのダイナミズムの中で生きる人間の新しいのあり方を提示していった。21世紀に注目される、複雑な関係網の中で生きる人間という像は、実際には忘れられてきたもう一つの近代史の系譜上にあるとも言える。実際、19世紀には、環境が再度価値あるものとして理念化され、その中での生の意味を確立しようとする環境的な自我が形成された。このような見通しのもとに、思想・文学・美術を架橋しながら、悲観的な近代理解を乗り越える視座を提示したい。
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