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最終更新日:2025年10月17日

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表象メディア論演習

《経験の上演4:占いのからくり》
シラバスとは、まだ起こっていない授業を先取りし、未来の展開を言葉で予告するテキストである。その意味でシラバスを書くこと自体が、すでにひとつの占いであり、未来予測のパフォーマンスでもある。これまで《経験の上演》という題目で、「経験」という一般化しにくい固有性の次元と、「上演」という他者を巻き込み外化せざるを得ない実践の交差から、広義の「パフォーマンス」をさまざまに考察してきたが、その第四弾として未来予測術としての占いを正面から扱う。

占術とは、誕生の時刻や身体の特徴、偶然の事象といった固有性の次元に立脚しつつ、それを他者と共有可能な解読の体系という一般性の次元へと開くことで、いまここにない事象の感知と意味形成を目論む営みの総称である。十八世紀半ばに「エステティクス(美学・感性術)」という分野を立ち上げたバウムガルテンが占術をその一部門に含めたことにも、こうした占いの捻れた性格が反映されているが、最先端の人工知能の予測モデルにも同じ未来をめぐる上演の系譜を垣間見ることができるだろう。

本授業では、古今東西の占術を調査し、実際に試み、そのからくりを考察する。最終的には受講生たちが新しい占いを創作し、それを発表することを目指す。シラバス通りに進むのか、それともときおり占いに導かれて逸れていくのか——その結末もまた占ってみるほかない。

なお担当教員は占術の専門家ではなく、自ら占うことも好まないため、この授業を開講すべきかどうか逡巡した。だが試しに占ってみたところ「吉」と出たのでやることにした。したがって、このシラバス/授業の存在自体が、占いの自己成就のサンプルとも言える。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C1124
FAS-CA4C24S1
表象メディア論演習
中井 悠
A1 A2
水曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
第1回:オリエンテーション——「経験の上演」と占術 第2〜4回:占術の三分類(命術・相術・卜術)を調査・実践 第5〜7回:グループ発表①(各占術の歴史と体験報告) 第8回:ディスカッション——人工知能と占術:新旧未来予測術 第9〜10回:グループ発表②(占術の実践と考察の共有) 第11〜13回:新しい占いの制作・発表
授業の方法
○ 授業の一部は占いによって進行が左右される。 ○ AIを「現代の占術」として積極的に活用する。
成績評価方法
出席、参加、課題提出などを踏まえた自己採点を基本とする。
教科書
必要なものがあれば、授業の中で共有する。
参考書
必要なものがあれば、授業の中で共有する。
履修上の注意
安全のため占うべきではない禁止事項をいくつか設ける(人の死期など)