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最終更新日:2025年4月21日
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伝統芸能論I
鬼の能を読むー「葵上」の世界ー
能の中から、鬼を主人公とする作品を輪読形式で読んでいく。映像での導入の後、各自の発表では、言葉を精緻に読み込みながら、そこに描き出されている世界について、それぞれの関心に従って深く掘り下げてもらいたい。報告、議論を通じて、能の言葉や演劇としての特質とともに、能における鬼について考えることが目標である。
まずは、『源氏物語』に取材した「葵上」をとりあげる。身ごもっている光源氏の正妻葵上にとりついてしまう高貴な才女、六条御息所の生き霊(鬼女)を主人公とした作品だ。能「葵上」は『源氏物語』を下敷きにしながらも、それとは異なる世界を描き出し、六条御息所の心の深淵に分け入り、また、「小書」を多様に持ちながら、演劇としてのさまざまな効果が模索されてきた。さらに、同作品は、三島由紀夫が近代能楽集中で「一等気に入ってゐる」という「葵上」や(「女の業」)、野田秀樹が日英二カ国、二カ国語で上演した『The Diver』に至るまで多くの近現代演劇にインスピレーションを与えてきた。現代でも随一の人気曲、能「葵上」の魅力に多角的に迫りたい。
なお、状況が許せば能楽堂で能楽鑑賞も行いたい。
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