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最終更新日:2026年10月16日

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文化人類学特殊演習(中国で人類学する)

【概要】
 人類学において、アフリカやオセアニアの研究が中核に位置するならば、中国研究は周辺に位置していると捉えられている(し、そう自認する中国民族誌家も少なくない)。人類学の同僚からは「中国研究はガラパゴス化している」などと揶揄されることもしばしばである。だが、日本の中国研究は世界的にも高く評価されてきたはずであり、またそれら諸研究との対話を通じて展開されてきた中国民族誌学は(現在ではあまり聞かなくなった用語であるが)「文明社会」の研究として人類学の新たなフィールドを開拓することが期待されてきた領域のはずである。それでは、その研究蓄積にはどのような面白さや発見を見いだせるだろうか。
2026年度の授業は、「中国で人類学する」と題し、講義と文献講読を通して、①質的調査・フィールドワークに関する方法論的基礎を学ぶとともに、②日本の中国民族誌学の最先端の研究成果(家族、コミュニティ、宗教、生業のほか、例えば、景観、震災、知的障害、オートエスノグラフィ、屠畜など)に触れてもらう機会とする。主たる受講生としては、これから中国(および中国語圏の諸社会)においてフィールドワークを行うことを予定している学生を想定しているが、特に授業前半は人類学や中国研究の初学者にも分かりやすい内容となっているため、中国民族誌学を専攻とする訳ではない受講生であっても一定の示唆を得ることができるだろう。
中国民族誌学の基礎から最新の研究成果までを見ていくことで、中国について(of)学ぶのみならず、中国において(in)考え、ひいては中国から他のフィールドの研究へと議論を投げかけていくための視座の構築を目指す。

【到達目標】
 フィールドワークというアナログな研究方法論の特徴と現代的意義について、そして人類学における理論・民族誌・フィールドワークの関係性について、自分の言葉で述べることができるようになること。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C102423
FAS-CA4B23S1
文化人類学特殊演習(中国で人類学する)
川瀬 由高
A1 A2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
教養学部
授業計画
第1回 イントロダクション――中国民族誌学の現在 この授業全体の流れと議論の見通しを解説したのち、受講生の自己紹介、発表分担決めを行う。 ※第1回授業(2026/10/2)から対面授業で行う。 第2回 「中国で人類学する」入門講義①――文化相対主義 予習範囲(課題文献):「卵かけご飯を食べたら怒られた――フィールドで出会う他者と自己」(川瀬由高 2021) 第3回 「中国で人類学する」入門講義②――人間と動物の関係性 予習範囲(課題文献):「北京ダックは鴨じゃない――食と文化の人類学入門」(川瀬由高 2026) 第4回 フィールドワーク論講義①――面白いものとの出会い方 予習範囲(課題文献):「座談会 現代中国におけるフィールドワークの実践」(稲澤ほか 2017) 第5回 フィールドワーク論講義②――あるく・みる・きく・失敗する 予習範囲(課題文献)「フィールドに「身を置く」ことと「わかる」こと――フィールドワークのこぼれ話」(川瀬由高2021) 第6回 フィールドワーク論講義③――参与観察の実例 予習範囲(課題文献)「流しのコンバイン――収穫期の南京市郊外農村における即興的分業」(川瀬由高2016) 第7回~第13回 中国民族誌学の最先端 授業の後半は文献講読と討論が中心となる。各回の課題文献は、受講生の関心に応じて、授業担当教員が選定する。現在予定しているテーマとしては、家族、コミュニティ、宗教、生業、景観、震災、知的障害、オートエスノグラフィ、屠畜などが挙げられる。 論文の読解にあたっては、議論構成や理論的価値についての評価のみならず、調査フィードの文脈と具体的調査手法の把握を心がけることが求められる。 以上の授業計画は受講生の人数、興味関心や理解度に応じて若干の調整を加える場合がある。
授業の方法
授業は各回とも90分で、対面授業で実施する予定である。(オンライン授業を行う必要がある場合、受講方法を授業内で指示すると共に、LMS等でも周知する。)  この授業では、講師による講義のほか、学生による口頭発表、および全体討論の時間を取ることを計画している。受講生の人数に応じて、授業方法は柔軟に変更する必要があるものの、現時点では次のような流れで授業を進めようと考えている。 【前半(第二回~第六回)】 講師による人類学およびフィールドワークの方法論に関する講義。ただし前半の授業では講義内容に直結した予習課題を配布し、受講生の1~2名にコメンテーター(質問者)を担当してもらう。コメント担当者は、人類学および質的調査研究に関する学習歴を勘案して指定する。 ①講師による、各回のテーマについての講義 ②コメンテーターによる質問・コメント ③全体討論 【後半(第七回~第十三回)】 文献講読。受講生には1人一回以上、課題文献の内容を紹介する口頭発表を担当してもらう(受講生1名が単独で発表するか、受講生複数人で一つのパワーポイントをつくり共同で発表するかは、受講生の人数に応じて判断する)。 課題文献は受講生の関心に応じて講師が選定する。また、後半の授業では発表者のほか、ファシリテーターを設け、議論の交通整理を担ってもらう予定である。 ①受講生による、課題文献についての内容紹介の口頭発表(30分) ②ファシリテーターによるコメント(10分) ③全体討論(30分) ④講師による、課題文献および口頭発表に関するコメント・解説(20分) また、各回の授業終了後には、授業内容の疑問点等や感想について指定のフォームから提出してもらう。
成績評価方法
授業内での発表・コメント(60%)、各回のリアクションペーパー(40%)で評価する。
履修上の注意
事前学習として、指定された課題文献を読む必要がある(185分)。発表担当者はもちろんのこと、その他の受講生も事前に読んでこないと授業を楽しむことができないだろう。事後学習では、授業内容の疑問点等や感想について、各回のリアクションペーパーに回答する必要がある(15分)。 受講要件は特に定めない。文化人類学ないし中国(語圏)の社会・文化に興味を持つ受講生を歓迎する。
その他
講師への連絡、質問方法については授業内において説明する。 なお、この授業の受講生は、以下の4つの科目の履修生となる。 08C102423「文化人類学特殊演習(中国で人類学する)」(教養学部教養学科超域文化科学文化人類学) 31M210-4221A「文化人類学特論Ⅲ」(総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース修士課程) 31D210-4221A「文化人類学特論Ⅲ」(総合文化研究科超域文化科学専攻文化人類学コース博士後期課程) 31D370-0226A「多文化共生・統合人間学演習Ⅲ」(総合文化研究科多文化共生・統合人間学プログラム)