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最終更新日:2026年10月16日

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文化人類学特殊演習(アフリカ開発論)

現代西アフリカ開発論――政治・安全保障・地域社会から国際協力を考える Contemporary Development in West Africa: Rethinking International Cooperation through Politics, Security, and Local Communities
 西アフリカ、とりわけサヘル地域では近年、マリ、ブルキナファソ、ニジェールにおける軍事クーデター、フランスや米国をはじめとする西側諸国との関係変化、ジハード主義勢力の拡大、ECOWASとサヘル諸国同盟(AES)をめぐる地域秩序の再編など、大きな政治的・社会的変動が続いている。こうした変化は単なる「治安問題」や「民主主義の後退」としてではなく、植民地支配の歴史、国家形成、地方社会と中央政府の関係、国際開発援助、安全保障支援、若年層の雇用、農牧民間の紛争、人やモノの越境移動などが重なり合う現象として捉える必要がある。
 本研究ゼミでは、ニジェールを中心的事例としつつ、マリ、ブルキナファソ、セネガル、ベナン、ガーナ、コートジボワールなども比較しながら、現代西アフリカの政治・社会変動を考察する。西アフリカ・サヘルの歴史、社会、国家形成、開発の歩みを基礎に、軍政化、反仏・反西側感情、ジハード主義、安全保障支援、地域秩序の変化を検討し、最終的には、日本を含む国際社会によるこれまでの開発協力の成果と限界を問い直し、「現在の西アフリカの現実を踏まえたとき、これからの開発とは何を意味するのか」を受講者自身が考えることを目指す。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C102420
FAS-CA4B23S1
文化人類学特殊演習(アフリカ開発論)
関谷 雄一
A1 A2
火曜4限
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講義使用言語
日本語、英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
教養学部
授業計画
誠に申し訳ないのですが、担当者出張中のため、10月6日(第1週)は休講、10月13日(第2週)から開始とします。 第1回【講義】西アフリカ/サヘルとはどのような地域か 地理・歴史・民族・宗教・生業・都市化を概観し、「サヘル=貧困・紛争・テロ」という固定的イメージを問い直す。 第2回【講義】「開発の世紀」と西アフリカ 植民地支配から独立、構造調整、民主化、MDGs・SDGsまで、西アフリカにおける開発の歴史を振り返る。 第3回【講読+討論】国家と地域社会――民族誌から開発を考える 国家、行政、若者、宗教実践などを扱った民族誌を読み、人びとの日常から国家や開発援助を考える。 第4回【講義+講読】民主化は成功したのか――ニジェールの政治史 1990年代以降の民主化と政変、イスフ政権からバズム政権までをたどり、関連研究をもとに民主化の実態を検討する。 第5回【講読+ワークショップ】軍はなぜ政治に戻ってくるのか 西アフリカのクーデター研究を読み、軍事介入を「民主主義の破壊」と「政治的調整」の双方から議論する。 第6回【講読+討論】2023年ニジェール政変を読み解く 政変を扱った主要論文を読み、国内政治、軍内部の関係、治安状況など複数の要因からその背景を分析する。 第7回【講読+ワークショップ】安全保障支援は何をもたらしたのか 欧米による対テロ・軍事支援を扱った研究を読み、「援助によって誰が強くなったのか」をグループで検討する。 第8回【講義+討論】なぜ反仏・反西側感情が広がったのか 植民地支配、Françafrique、軍事介入、資源、主権をめぐる言説を整理し、反仏・反西側化の背景を考える。 第9回【講読+討論】ジハード主義勢力はなぜ拡大するのか ジハード主義研究と民族誌的研究を読み、宗教、地方政治、土地、若者、国家統治などとの関係から考察する。 第10回【講義+講読】ECOWASからAESへ――地域秩序の再編 ECOWAS、AU、G5 Sahel、AESを比較し、軍政化とともに変化する西アフリカの地域協力と政治秩序を検討する。 第11回【ワークショップ】「西側援助」は失敗したのか 欧米、国際機関、中国などの開発・安全保障協力を比較し、その成果と限界をグループで評価する。 第12回【講義+ワークショップ】日本の国際協力から西アフリカ開発を考える TICAD、人間の安全保障、青年海外協力隊、教育・農村開発などを学び、今後の日本の対西アフリカ協力を構想する。 第13回【ワークショップ+発表】次世代の西アフリカ開発論を構想する これまでの議論を総合し、「これからの西アフリカにとって開発とは何か」を一緒に考える。
授業の方法
 本ゼミでは、講義、文献講読、討論、ワークショップを組み合わせて進める。前半では、西アフリカ・サヘル地域の歴史、社会、政治、開発に関する基礎的知識を講義形式で学ぶ。中盤では、政治、安全保障、ジハード主義、地域社会などを扱う研究論文や民族誌を講読し、その内容について受講者間で討論する。後半では、これまでの議論を踏まえ、国際開発協力の成果と課題、日本の役割、今後の西アフリカ開発のあり方について、グループワークや発表を通じて考察する。専門知識のない受講者にも参加しやすいよう、必要に応じて教員が背景説明を行う。
成績評価方法
 成績は、授業への主体的な参加・貢献、または期末レポートを通じて示された学習成果に基づき、総合的に評価する。授業への貢献には、文献講読やニュース紹介の担当、討論やグループワークへの参加、リフレクションペーパーの提出など、多様な形態を含む。履修者には、授業期間中に少なくとも一度は、これらの活動を通じて主体的に貢献することを期待する。授業期間中に十分な貢献ができなかった場合には、期末レポートによって学習成果を示すこともできる。評価にあたっては、単なる出席回数ではなく、授業内容や指定文献への理解、自ら問いを立てて考察する姿勢を重視する。
履修上の注意
 西アフリカ研究、開発学、政治学、国際関係論、文化人類学等についての事前の専門知識は必要としない。授業では英語の研究論文や民族誌を扱うが、必要に応じて背景説明を行うため、初学者の履修も歓迎する。  講読を行う回については、事前に指定された文献または該当箇所に目を通し、内容の要点や疑問点を簡単に整理して授業に参加することが望ましい。すべてを完全に理解することよりも、分からない点を含めて自分なりの問いを持って参加することを重視する。また、授業で扱う地域の情勢は変化が速いため、新聞やニュース等を通じて西アフリカの動向に関心を持つことを勧める。
その他
初回はオンライン開講です。