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最終更新日:2026年10月16日
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文化人類学特殊演習a(生命の人類学)
生命の人類学(アフリカ地域を中心に)
人間が、あるいは人間ではないものが<生きている>ということをどのように考えればいいだろうか。人類学者のぺリグ・ピトルーは、この問いについて検討する際には、<生きている>状態と、何かをそのような状態にする<生命>を区別して考える必要があると述べている(Pitrou 2018)。その上でピトルーは、そのような生命の捉え方には、それ自体で複数のあり方(=存在論)が存在しうるのだと述べる。おそらく、生命観の差異としてもっとも分かりやすいのは、アニミズム的な生命観と自然主義的な生命観の差異であろう。
近年の人類学では、いわゆる「存在論的転回」以降、アニミズムについての検討が隆盛しているが、そのなかで、生命の関連でアニミズムについて広範に検討した論者にマーシャル・サーリンズがいる(Graeber and Sahlins 2017)。サーリンズの見立てでは、人間は人間以外のモノたち(精霊、死者、神etc.)と生命のやり取りをしており、そのようなやり取りをよりうまくできる人間(シャーマン、王etc.)とそうではない人間がいるという。同時に、サーリンズは、このようなアニミズム的な生命観は、いわゆる狩猟民に限定されるものではなく、世界各地の様々な生業と政治体制をもつ人びとに見られることを示唆している。
このようなサーリンズの議論は、どこか普遍主義的に見えるかもしれない。その一方で、サーリンズの生命をめぐる議論は、既存の人類学の議論を再点検していく際のきわめて重要な足場を提供するものである。その理由は、第一に、サーリンズの議論は「存在論的転回」の議論を、これまでに適用されてこなかった地域やトピックにも開くものであるからであり、第二に、生命の経済という新たな枠組みを提示するものであるからである。
そこでこの授業では、それぞれに生命の経済と関連する、アフリカ民族誌学において重要なトピックである王、奴隷、妖術師についての基礎研究を講読することにより、生命の人類学の拡張可能性を検討していく。
受講者には、毎回決められた文献を読んでくることが求められる。原則として、英語の文献を取り扱うが、日本語の文献を用いることもある。受講者の人数にもよるが、授業期間中に最低1回のレジュメの作成が義務づけられる。レジュメは授業日の前日の早朝までに受講者で共有し、各受講者はレジュメと本文の内容について話すべきことを用意して授業に望むこととする。
※ターム科目(2022年度より文化人類学コースの多くの科目がターム科目として提供されている)
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