学部後期課程
HOME 学部後期課程 文化人類学特殊演習(エイジングの人類学)
過去(2023年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

文化人類学特殊演習(エイジングの人類学)

新型コロナウィルス感染症の世界的拡大は、人びとの健康をめぐるリスクや、実際に罹患するという経験が、個々人の身体的な在り様によって異なるという社会的分断の存在を露呈した。特に高齢者をめぐる社会の言説には、これまで潜在していた年齢差別が先鋭化していることが見て取れる。
そこで、この授業ではエイジングと老年についての私たちの理解について、再帰的に捉え直していく。具体的には、①エイジズム、②政治文化に埋め込まれた世代の構造、③排除と包摂をめぐる社会構造、という3つのトピックに関わる文献を横断的に読み、議論を深めていく。これまでエイジングとは関わらない領域で議論されてきたトピックと結びつけることで、新たな視角から「年をとること」についての私たちの認識を反省的に捉え直すことを目標とする。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C102406
FAS-CA4B23S1
文化人類学特殊演習(エイジングの人類学)
髙橋 絵里香
A1 A2
金曜2限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
初回のガイダンスで授業の主旨を説明したうえで、第2回以降のディスカッサントを決定する。出席者は毎回の課題図書に目を通し、コメントを書いてくること。また、ディスカッサントは課題図書をレジュメにまとめること。 第1回 ガイダンス(オンライン) 第2回 世代の分断 第3回 老人遺棄 第4回 神話的思考 第5回 年齢と階梯 第6回 伝統と技術 第7回 社会変動 第8回 世論の形成 第9回 寄食と福祉 第10回 人口変動と高齢化 第11回 時間と速度 第12回 老年の「価値」 第13回 まとめ・総合討論
授業の方法
個人発表・ディスカッション
成績評価方法
授業への参加状況:100%(授業中の発表内容、発言などから判断する)
教科書
【授業で用いる文献(書籍については一部抜粋の予定)】 グレーバー、デヴィッド、2022、『価値論』藤倉達郎(訳)、以文社。 セール、ミッシェル、2021、『パラジット: 寄食者の論理』、及川馥・米山親能(訳)、法政大学出版局。 田川玄、慶田勝彦、花渕馨也(編)、2016、『アフリカの老人』、九州大学出版会。 鶴見太郎(編)、2016、『日常からの挑戦』、岩波書店。 床呂郁哉(編)、2021、『わざの人類学』、京都大学出版会。 浜田明範、西真如、近藤祉秋(編)、2021、 『新型コロナウィルス感染症と人類学:パンデミックとともに考える』、水声社。 ハラウェイ、ダナ、2017、「人新世、資本新世、植民新世、クトゥルー新世:類縁関係をつくる」、『現代思想』 高橋さきの(訳)、2017(12):99‐109。 フレイザー、ジェイムズ、1994、『金枝篇』、東京書籍。 星野太、2023、『食客論』、講談社。 宮本常一、1984、『忘れられた日本人』、岩波書店。 ローザ、ハルトムート、2022、『加速する社会』、出口剛司(監訳)、福村出版。 山本七平、2018、『空気の研究』、文芸春秋社。 Cohen, Lawrence, 2020, "The culling: Pandemic, gerocide, generational affect." Medical Anthropology Quarterly. 34(4): 542-560. Takahashi, Erika & Jason Danely, 2020. “Those Who Come Early: Reflections on the Social Standing of Senior Citizens in the Time of the COVID-19 Pandemic in Japan.” Somatosphere, a medical anthropology website by EASST (European Association for the study of science and technology).
参考書
授業内で適宜指示する。
履修上の注意
・文化人類学の基礎的な知識を持っていることを前提とする。 ・初回授業(10/6)はオンラインで開講する。URLはITC-LMSに掲示するので、そちらを確認すること。