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最終更新日:2026年10月16日
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文化人類学特殊講義(日常的移動の民俗学)
日常的移動の民俗学
従来の民俗学は、世代を超えて一つの地域(ムラ)に定住する人びとによって形成され、受け継がれる文化を主たる研究対象としてきた。しかし現在の私たちの暮らしは、通勤通学、買い物、観光などさまざまな目的で常に移動することによって成り立っている。特別な経験としての「旅」ではなく、あくまで日常生活の中にある移動の実態とその意味や、人の移動によって生み出される社会関係や生活圏の空間構成などについて考えてみたい。またその具体的な例として、従来のモビリティ研究では取り上げられることの少ない自転車の利用に注目する。自転車というモノの使用が、移動の経験や感覚にどのように作用し、どのように生活の空間を編成するかという、人とモノの相互交渉の様相をとらえたい。なお日本の民俗学ではこの方面の研究は必ずしも盛んではないため、隣接領域である社会学・文化人類学・交通社会学などの成果を幅広く参照する。
移動と交通をめぐる文化を民俗学的に研究する上で必要となる基礎概念や、従来の研究上の知見を理解した上で、自分たちが生活している生活空間の構成や、日常的に行なっている行為や利用しているモノ・制度などの特質や意味を理解する方法を身につける。また移動をめぐる政治的・社会的問題を生活者の視点から理解し、そうした課題や困難について、様々な観点から検討し考察できるようになることを目標とする。
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