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最終更新日:2024年10月18日
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文化人類学特殊講義a(自然の人類学)
「garden/gardening」をめぐる自然の人類学
gardenとは「庭」であり「菜園」でもある。またgardeningとは、本来的には、人間と植物(および自然)が出会う行為であり、人類が最初に植物を育てた時、それは農耕というよりもgardeningと呼ぶにふさわしいものだったであろう。
例えばアマゾンの密林のように、一見手つかずの自然のように見える場所も、実は先住民の手によって広く深く改変されてきたのであり、そうすると広大なアマゾニアの自然は「先住民の庭」であったということになる。一方、面白いことに、当のアマゾン先住民自身は、アマゾンの森には「森の主」のような人間とは異なる種類の「人々」が棲んでいて、それらが密林の動植物を育てているのであり、つまり密林は「彼らの庭」であると考えてきた。こうしてみると、garden/gardeningは、近代的農業によって目を曇らされてきた私たちと植物の関係を新しい角度から見直すために役立ちうるテーマであり、文化人類学において近年発展してきた「自然の人類学」にとっても重要なテーマであると言える。
この授業では、文化人類学の内外から文献を選びつつ、狩猟採集民・焼畑農耕民の植物との関係から現代都市における人間と自然の関係まで、幅広い視野から人間にとってgarden/gardeningとはであるかを考えてみたい。
なお、この授業(S2ターム)はS1ターム科目の「自然の人類学ー入門ゼミ」(文化人類学理論IIIa)に続けて実施する。S1ターム科目を受講せずにこの科目のみ受講することも可能だが、その場合は、拙著『イメージの人類学』の第6章〜第9章を事前に熟読し、その内容を把握していることを参加の条件とする。
※この科目は大学院との合併授業です。
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