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最終更新日:2026年10月16日

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専門日本語(38)

植民地帝国の政治外交史――「日本」の場合
戦前日本は植民地帝国として「五大国」まで上り詰めたが、その帝国拡大の負の遺産は、戦後80年を経過した今日もなお日本の政治・外交にとって無視できない重みを有している。他方で、朝鮮・台湾といった植民地の歴史研究は日本語圏・英語圏だけでも膨大な蓄積があり、日本の日本(史)研究がそうした蓄積を十分に反映できているとはいえない。また、そうした豊かな蓄積が近年はもっぱら(広義)社会史的な視点を軸にしていることも、「大陸政策」研究以降の日本政治外交史研究との対話を難しくしている一因である。

この授業は、以上のような状況をふまえ、「植民地帝国の政治外交史」という観点から植民地朝鮮、台湾に関する古典的業績を丁寧に会読することで、研究史に貢献しうる新たなフロンティアを見出すことを目標とする。具体的には、大家による大部の著作である以下の2冊を、読み通す予定である(各4~5回ずつ)。

・若林正丈『台湾抗日運動史研究 増補版』(研文出版、2001、初版1983)
https://www.kinokuniya.co.jp/*****
・森山茂徳『日本近代史のなかの朝鮮』(不二出版、2024)
https://www.fujishuppan.co.jp/*****

その上で最終的に、植民地帝国日本の任意のテーマに関する10000字程度のゼミ論文に仕上げてもらう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08B9538
FAS-BA4M01S1
専門日本語(38)
前田 亮介
A1 A2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
教養学部
授業計画
上述したように、若林正丈『台湾抗日運動史研究』および森山茂徳『日本近代史のなかの朝鮮』を、それぞれ計4~5回で会読し、その上でゼミ論文を執筆する。 ただその準備運動として、「帝国」と「脱植民地化」の歴史を理論的に俯瞰した仕事である前田健太郎『道徳を競う帝国――マイノリティの権利はどこからきたのか』(NHKブックス、2026)を、第2~第3週にまず取り上げたいと考えている。 (若林・森山本についてはこちらで用意するが、前田本は各自で用意し、初回のガイダンスまでに持参されたい(購入する必要は必ずしもない)) また、学期末には演習での議論をふまえたゼミ論文を各自執筆・提出していただくが、そのための準備報告を授業中に設ける形も検討している。
授業の方法
参加人数によって実施形式は異なるが、一定の人数がいる場合は、毎回の報告担当者を立てる。報告担当者は、固有名詞や解釈が難しい箇所、さらに重要な叙述に関するすべての注記、について十分な下調べを行ない、関連する研究や資料(オンラインで閲覧できる分だけでも相応の収集が可能である)をできる限り集め、ゼミ論文にもつながるような論点の提起をめざす。 また、報告者以外の参加者も全員が課題文献に目を通した上で、A41枚程度のペーパーを執筆し、報告者の論点の深化や異なる視角・解釈の提示にむけて授業で必ず1度は発言する。毎回、ディスカッション・リーダーを(1人ないし2人)設定し、事前に各ペーパーに目を通した上で、議論の活性化に努める。 課題文献については基本的に教員の側で用意する。
成績評価方法
平常点(報告の内容と毎回の発言)と期末のゼミ論文による。また、演習形式の授業であるため、正当性のない欠席は厳禁。無断欠席は脱落とみなす。欠席時には必ず具体的な事情を、教員に事前に伝えること。
履修上の注意
初回は各回の報告担当者を割り振るため、出席を検討している方は必ず出席してほしい。混雑状況などに鑑みてオンラインで開催する場合は、事前に連絡する。 高校レベルの日本史の事前の知識はとくに必要ないが、「授業の方法」欄に記したように、全体に負担は重く、毎回の予習に相応の時間を割く準備と情熱のあることが、履修の大前提である。 なお、分野・地域を問わず外交史・国際関係史に関するテーマで大学院進学を検討している方の参加も歓迎したい。