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最終更新日:2026年10月16日

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専門ドイツ語(36)

啓蒙論の現在――近代自己理解のカテゴリーをめぐって①
啓蒙(Enlightenment, Lumières, Aufklärung)は、17~18世紀のヨーロッパに生じた社会的変化を指す概念として、同時代から現代に至るまで使われています。それは、歴史的な一時期を指す〈記述的概念〉であると同時に、その後の社会変化を評価する基準のようなもの、言い換えれば〈規範的概念〉としても機能してきました。

この意味で、啓蒙の概念は「西洋/西欧」とか「近代」が自己自身を理解する際の基本的・不可避的なカテゴリーとなっています(たとえば「西洋/西欧」なら日本を含まないでしょうが、「近代」なら日本も含むでしょう。後者の場合、日本(社会)の自己理解にも関係することになります)。

啓蒙概念そのものの両義性を踏まえつつ、21世紀のヨーロッパにおいても続けられている啓蒙の議論を、ドイツ語で書かれた近年の文献でたどるのが、この授業の目標です。

近代ないし啓蒙については、実にさまざまな観点や立場からさまざまな主張がなされています(例:B・ラトゥール「かつて私たちが近代人であったことは一度もない」)。この授業で取り上げる Georg Cavallar の『啓蒙は破綻したのか?』(2017)は、そうした多様な意見を念頭におきながら、ある意味で「バランスのとれた」記述を目指す著作だといえます。啓蒙に対する懐疑論を正面から受け止める一方、現代を理解する上で啓蒙概念が(なお)果たしうる批判のポテンシャルを見極めようとする姿勢は、日本で人文学にたずさわる私たちにとっても参考になるでしょう。

本書はまた「専門家」向けの個別研究と「一般読者」向け入門書の中間的な立ち位置を意識して書かれています。ヨーロッパ(この場合だとドイツ語圏)の「教養ある」読者層を念頭に執筆されているという点で、人文学の研究者に求められる言語(ドイツ語)使用の水準を知ることもできるでしょう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08B2036
FAS-BA4B01S4
専門ドイツ語(36)
斉藤 渉
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語、ドイツ語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
教養学部
授業計画
1.受講案内 2.テーマへの導入:啓蒙のさまざまなイメージ 3.啓蒙とはどのようなものでありうるか 4.理性の限界:経験、知性、理性 5.ユーモア、冷笑主義、拡張された思考様式 6.道徳の共通言語は存在するか:道徳、倫理、法/権利 7.何を信じるか:宗教、宗教批判、宗教的啓蒙 8.啓蒙は破綻したのか:今なお何のために啓蒙が必要なのか
授業の方法
テクスト(Georg Cavallar, Gescheiterte Aufklärung? Ein philosophischer Essay (2018). 必要箇所をコピーして配布)をドイツ語原文で精読します。その際、テクスト自体の理解が重要となることは言うまでもありませんが、著者が踏まえている議論や出来事にも目を配りつつ、
成績評価方法
授業参加(60 %)およびレポート(30 %)(詳しくは授業中に指示します)。
履修上の注意
ドイツ語の基礎知識があることを前提とした授業です。ここで「ドイツ語の基礎知識がある」というのは、ドイツ語を読むにあたってどのような文法事項を参照しなければならないか、辞書を引く際にどのような情報を調べておかなければならないかを理解しているということを意味します。 そうしたことがら(たとえば、形容詞語尾の変化表とか特定の名詞の性)を覚えていなくても全くかまいません。しかし、知っておく必要のあることは、どれだけ面倒でも必ず調べておくようにしてください。 予習等にあたって生成系AIを利用してもかまいませんが、ドイツ語文の構造や意味を知るために使うことはやめておきましょう。みなさんに考えていただきたいのは、ドイツ語で書かれた文がどんな意味かということではありません(それを知るには生成系AIで十分です)。なぜそのような意味になるかを自分の言葉で説明できるようになることが目標です。