Sセメスターに引き続き、現代トルコ語の文献講読を行う。講読テキストは、Mehmet Selim Temel, “Osman-İran İlişkilerinde Diplomatik Problem: Bir İngiliz Kızının Kaçırılması”(「オスマン-イラン関係における外交問題:ある英国人少女の誘拐」), Hazine-i Evrak Arşiv ve Tarih Araştırmaları Dergisi 1 (2019), 85-100をとりあげる(ダウンロードURLはUTOLに記載します)。1891年イラン領内の遊牧民MIrza Azizと駆け落ちした英国人少女Katy Greenwoodが取り調べのため裁判所に送られる途中、オスマン国境に近いイラン西部の都市サヴチュブラク(現在のマハーバード)にあったオスマン領事館に逃げ込んだため、オスマン-イラン両国間に外交問題が生じた。結婚を認めない母親と英国領事、事件を取り上げた英語新聞による英国国民世論を背景とする英国政府の圧力も加わり、複雑な国際関係に巻き込まれてしまったKatyはいかなる運命をたどったのか、オスマン政府の公文書をもとに明らかにする論文である。なおSセメスターで論文要旨と本題に入る前の冒頭部分p.87の13行目まで)だけ講読したので、その続きの本題部分(p.87の14行目)から読み始めるが、これまでに講読した箇所の日本語訳はUTOLで配布するのでAセメスターからの受講に全く問題はない。
テキストの文法構造を正確に把握し、適切な日本語に訳すことを主眼としつつも、学術論文でよく用いられる用語や表現・文体についても説明する。テキスト内に出てくる固有名詞については、講師が解説する。注の付け方や参考文献、学説史的な背景、論の構成や方法論上の問題にまで踏み込んで批判的にテキストを読み解いていきたい。
毎回授業のはじめには簡単に前回の復習を行なう。読み進むペースは、比較的ゆっくりだと思います。