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最終更新日:2025年4月21日

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共通ドイツ語(33)(文法)

ドイツ語文法中級
 初級ドイツ語の段階からさらに一段高い水準でのドイツ語の理解を目指すのがこの授業の目標です。そのためにはドイツ語の何をどう学ぶかを考える必要があります。外国語の勉強で教師のできることは基礎を教えることだけです。そこから先は各人が自分で学んでゆかなければなりません。特に東大では語学の授業が大幅に削減されました。十分な授業時間が確保されていません。そのため自学自習が格段に大きな意味を持ちます。この授業はその自学自習の手助けをするための授業です。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08A2033
FAS-AA4C01L4
共通ドイツ語(33)(文法)
高橋 宗五
A1 A2
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
 特にありません。Hänsel und Gretel を読み、その都度問題になるドイツ語表現を文法や語法という観点から分析します。  例えば、       Ich habe ihn heute wieder gesehen. Ich habe ihn heute wiedergesehen. の発音上の違いや意味の違いが分かりますか。ドイツ語では一見似たような表現でも意味が異なることが多々あります。  あるいは日本語の「行く」に相当するドイツ語は、sein, gehen, fahren 等々色々ありますが、意味の違いや語法が分かりますか。     A: Anfang Oktober gehe ich nach Deutschland nach Berlin. B: Wie lange? これは実際にあった会話ですが、この会話について説明できますか。A の言葉にある gehen はどういう意味であり、それを受けて何故 B の Wie lange? という疑問文がでてくるのでしょうか。語彙と文法という観点から言えば、この会話は初歩に属しますが、何故このような会話が成り立ちうるのかどれだけの方が説明できるでしょうか。言葉は一見簡単なようでも奥が深いことがあります。ドイツ語の森の中で少しでも sich orientieren できるようにするのがこの授業の目的です。  またこの授業では前置詞と前置詞を分離の前綴りとする分離動詞の基本を理解することを目標とします。例えば    He ate up a big beef steak. この文章の目的語を代名詞に置き換えると    He ate it up. となり、これは以下のドイツ語の文章と語順が同じです。    Er aß einen großen Rinderbraten auf. 基になっている文章は    He ate it. も    Er aß einen großen Rinderbraten. も完結した意味をもつ文章です。この文章にそれぞれ up や auf が文末に付け加わるとどうして「食べる」という意味から「残らず食べる、平らげる」という意味に変化するのでしょうか。それぞれ up や auf はどういう意味と機能を持っているのでしょうか。こうした問いに答えることができるようにすることもこの授業の狙いです。
授業の方法
 授業ではまずグリム童話のひとつ Hänsel und Gretel を読みます。これは三、四歳の子供が親に読み聞かされて理解できる程度の内容であり、ドイツ語です。しかし我々外国人にとってはそう簡単ではありません。この童話は次のように始まります。  Vor einem großen Walde wohnte ein armer Holzhacker mit seiner Frau und seinen zwei Kindern:    駒場図書館へ行きこの文章がどのように訳されているか翻訳を調べました。三つの翻訳がありましたが、すべて誤訳でした。誤訳の理由は翻訳者がドイツ語の基本を理解していないからです。皆さんはこの文章をドイツ語として理解できるでしょう。しかし正しい日本語に訳せますか。こうした簡単な文章を誤訳しなくて済むようにするのがこの授業の目標です。  また Holzhacker は「樵」を意味するドイツ語で、Holz と Hacker という言葉から成る合成語です。しかしHolz という言葉の意味を考えると奇妙です。このような言語現象をどう理解すればよいのでしょうか。  このようにテクストを読みながらドイツ語の表現やドイツ語の様々な言語現象をひとつひとつ検討して行き、文法的に分析し、ドイツ語の理解を深化させます。 Hänsel und Gretel を読み終えたら Franz Kafka の Der Process か Die Verwandlung を読む予定です。
成績評価方法
 学期末に試験を行う予定ですが、レポートになるかもしれません。授業に参加する学生の皆さんと話し合って決めたいと思います。
教科書
 Hänsel und Gretel のテクストは最初の対面授業の際に(つまり二回目の授業の際に)配布します。またICT-LMSにも載せておきます。
参考書
 特にありませんが、参考となりうるものがあればそれはドイツ語の辞書でしょうか。辞書については最初の授業の際に説明します。
履修上の注意
特になし。