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最終更新日:2025年4月21日
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上級日本経済史Ⅰ
近現代日本の企業家
①授業の目的と概要
本講義は、市場経済の均衡を破壊・創造する力を持つ「革新」の遂行者である企業家(entrepreneur)に注目することで、経済発展のダイナミズムを考察することを主たる目的とする。
J. シュンペーターは、『経済発展の理論』(1912年)において、企業家を「創造的破壊」による「新結合」の実現者と定義し、企業家の「革新」行動によって均衡状態が攪乱されることで経済発展のダイナミズムが生じるとした。さらにA.H.コールらは、企業家の非連続的・飛躍的側面だけでなく、連続的・漸進的な側面にも注目した。そして経済発展は、均衡から不均衡を創り出すこと(創造的破壊)だけでなく、不均衡から均衡に向かう過程(競争)によっても生み出されると論じた。こうした理論(仮説)は、経済の歴史の中で、どのように観察されるのだろうか。本講義では、企業家の革新行動とその定着過程としての企業発展を、近現代日本における具体的な事例にもとづきながら、長いタイム・スパンの中で考えていきたい。
②到達目標
a.企業家が、ある時代背景と外部環境の中で、どこにビジネス・チャンスを見出し、それをいかにして掴もうとしたのかを、ケース・スタディを用いながら考える。そのことを通して、長期的な視野にもとづく戦略的行動とは何かを学ぶ。
b.同時代的な一次史料(日記など)や回顧録、オーラル・ヒストリーを活用して、企業家の思考を追体験する。そのことを通して、企業家の行動を、情報量が限られた同時代的な視点で理解することに努める。
c.日本経済史と日本経営史の架橋をめざす。
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