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最終更新日:2024年4月22日
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障害と経済
障害と経済
社会はひとのために造られてきた。とはいえ、すべての人を等しく考慮するように造られてきたわけではない。社会の構成員は、性格、能力、資力等においてそれぞれ大きく異なっているため、すべての人に便利な建物やきまりというものはなかなか存在しない。いきおい、「ふつう」の人に便利なものを造ろう、ということになる。
社会は「ふつう」の人々を基準に作られてきた。そこで「ふつう」でないとみなされる人々はしばしば福祉の対象とされてきたが、かれらが福祉の世界から「ふつう」の経済社会に入ろうとするとき、さまざまな障壁に直面する。
この「ふつう」という言葉をキーワードに、そこから大きく置き去りにされた人々―とくに障害者、長期疾病者、そして児童養護対象者(実親が育てられない子供たち)―に光を当て、その経済的側面を中心に考察することが本講義の目的である。
障害者、長期疾病者、児童養護対象児童等の「ふつう」の社会で「ふつう」に暮らしにくい人々をもっと社会に包み込むために、ゲーム理論に基づいたモデルによってかれらが直面する社会的障害を統一的に読み解き、問題解明の糸口を探る。かれらは「ふつう」の人々が直面する社会の歪みを映し出す拡大鏡であり、その問題を和らげることは社会全体の歪みを和らげることにもつながる。
障害は個人の属性のみではなく、個人と社会との相互依存関係によって生じる。社会の中の障害を見つめなければ障害問題の本質はつかめない。本質をつかめなければ問題解決の糸口も見えてこない。本講義では、障害者が直面する経済・社会問題やそれらの問題を解決するための制度に関する考察を行う。
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