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最終更新日:2023年3月15日
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食品免疫・腸管機能学
腸管は、栄養吸収器官であることは言うまでもないが、また一方で、経口的に侵入した病原体に対する生体防御の最前線を形成しているため、体内で最大級の免疫器官でもある。さらに、循環系・神経系を介した脳との相互作用もある。そして我々の摂取する食品は、腸管に作用し、栄養吸収機能、免疫機能等に影響する。本講義では、これらの面から腸管を理解することを目指す。
本講義では、全体を概説した後、腸管の解剖学的特徴について説明し、腸管の構造および機能について解説する。次に腸管上皮に発現する各種細胞について、また摂取した食品成分によるそれらの制御機構について論じる。さらに腸管のトランスポーターを介した食品栄養成分の吸収およびその制御機構、受容体を介したシグナル伝達機構について論じる。続いて、免疫系の基礎について簡単に説明した後、腸管免疫系の応答機構について、腸管免疫系の構造、腸管粘膜におけるIgA抗体分泌、また食品タンパク質に対する抑制機構である経口免疫寛容を中心に解説する。以上を基盤にして、腸内細菌の役割、食品成分の免疫調節機能について論じる。また一方で、食品中のタンパク質に対する過剰・異常な免疫応答が引き起こす食物アレルギー、および食品のアレルギー抑制効果についても紹介する。
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