学部後期課程
HOME 学部後期課程 微生物生理学
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年8月27日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

微生物生理学

微生物は肉眼では観察が難しい微小な生物の総称であるが、生物としての基本的特徴は高等動植物細胞と同様である。即ち、生命を維持するために物質の取込、代謝、排出を行い、また細胞分裂や出芽等により増殖する。一方、様々な環境に生息していることで分かるように、微生物は極めて多様に分化している。増殖が速く多数の細胞を容易に調製できる微生物は生化学や遺伝学の研究材料として多大な貢献をしてきたが、抗生物質をはじめとする様々な化合物の生産にも利用されており、基礎研究ばかりでなく応用上も重要な存在である。本講義では、典型的な微生物の細胞の成り立ち、主要な細胞構成成分の機能、その作られ方や調節の機構、外界の環境変化への適応など、基本的なことがらについて解説する。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
060310101
FAG-CL3C11L1
微生物生理学
有岡 学
S1
金曜1限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
開講所属
農学部
授業計画
第1回(4月5日) (0)イントロダクション 微生物研究の有用性-基礎から応用まで (1)微生物の生育 1)微生物の生育をどのように計測するか 2)微生物の増殖形式 3)微生物の生育曲線 4)世代時間 5)同調培養 6)連続培養 第2回(4月19日) (2)微生物細胞における生体膜の構造と機能 1)原核生物と真核生物の違い 2)真正細菌の形態と細胞表層構造 3)アーキアの細胞表層構造 4)真核微生物の形態と細胞表層構造 5)生体膜の構造と膜脂質・膜タンパク質 第3回(4月26日) (3)微生物細胞における物質透過 1)様々な膜輸送タンパク質の働き 2)受動輸送 3)能動輸送 第4回(5月10日) (4)微生物における情報伝達と環境適応 1)細菌における情報伝達 二成分制御系・クオラムセンシング 2)酵母における情報伝達 接合因子・浸透圧シグナル・小胞体ストレスに対する応答 第5回(5月15日(水)) (5)微生物における代謝調節 1)原核生物(大腸菌)における転写制御   ①ラクトースオペロン   ②トリプトファンオペロン 2)真核細胞(出芽酵母)における転写制御   ①原核生物と真核生物における転写制御機構の違い   ②基本転写因子   ③エンハンサーとアクチベーター   ④酵母のガラクトース代謝系遺伝子の発現制御 3)転写後の制御   ①リボスイッチ   ②RNA干渉   ③CRISPR/Cas9 第6回(5月17日) (6)微生物における環境応答 1)概日時計(アカパンカビとシアノバクテリア) 2)栄養飢餓に対する応答(オートファジー) 第7回(5月24日) 期末試験
授業の方法
配布資料ならびにパワーポイントにより授業を行う。
成績評価方法
期末試験により評価する。詳細は後日掲示する。 (5/15記) 期末試験(筆記試験)は以下の通り行います。 日時 2024年5月24日(金) 9:00-10:00(遅刻限度9:15) 場所 農学部2号館 化学第1講義室 持ち込み不可
教科書
PDFを前日までにUTOLにアップロードする。
参考書
細胞の分子生物学 ニュートンプレス Brock 微生物学 室伏、関 監訳 オーム社 応用微生物学 清水、堀之内編 文英堂出版 バイオテクノロジーのための基礎分子生物学 大嶋、北本、原島、宮川編著 化学同人 クーパー 分子細胞生物学 第8版
履修上の注意
2年次の「基礎微生物学」において学習した知識の習得を前提とするので、必要に応じて適宜「基礎微生物学」の資料を事前に参照すること。また、前日に配布するPDF資料にもあらかじめ目を通しておくことが望ましい。なお、講義室では印刷物の配布は行わないので、PDF資料の印刷は必要に応じて各自で行うこと。
その他
2024年度シラバス作成教員:有岡 学
実務経験と授業科目の関連性
三菱化成工業(株)三菱化学生命科学研究所において微生物機能を実用化した経験を生かして微生物の利用に関する基礎的および応用的な知識を講義する。