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最終更新日:2024年3月15日

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人体解剖学実習(神経)

神経解剖学
脳神経科学はわれわれとは誰かという疑問を物質的に解明しようとする学問領域のひとつであり、日進月歩の先端的研究が行われている。本コースはその基礎となる神経解剖学を平易かつ刺激的に講じるもので、肉眼神経解剖学(脳マクロ)、神経組織学(脳ミクロ)の講義・実習を行う。神経系の構造と機能に関する基本的知識・概念を習得し、神経生理学等の履修の基盤を構築することを目標とする。 さらにこれに関連して、当教室で確立した統合失調症、疼痛、感覚障害、PTSD、認知症、てんかん、脳腫瘍、水頭症、神経変性疾患等のモデルとなるキネシン分子モーター欠損マウス解析研究を例として、神経細胞の分子機構におけるミクロレベルの擾乱が中枢・末梢神経系におけるマクロレベルでの機能障害をいかに惹起するかの考え方を包括的に論じる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0543015
FSC-BS3A07P1
人体解剖学実習(神経)
田中 庸介
S1 S2 A1 A2
月曜3限、月曜4限 他
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講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
理学部
授業計画
別シート参照 担当非常勤講師 岩﨑 広英 群馬大学教授 日置 寛之 順天堂大学教授
授業の方法
PM 13:00~16:40 以下の三種類の授業を取り交ぜてわかりやすく進めます。 ・講義 八回あります。オンラインのブラッシュアップテストを一週間以内に回答してください。 ・ミクロ実習 三回あります。スケッチブックを期末試験時に提出してください。実習講義は、オンラインにビデオをおいておきます。 ・マクロ実習 三回あります。スケッチ課題8枚を提出してください。
成績評価方法
指定箇所のスケッチを提出し、ブラッシュアップテストに回答する。最終筆記試験と、これらの結果を総合し成績を評価する。
教科書
1. カラー図解 神経解剖学講義ノート 寺島俊雄 2011 金芳堂 京都 2. 解剖実習の手びき 改訂11版 寺田春水・藤田恒夫 2004 南山堂 東京 3. 配布プリント(単元1~14)
参考書
1. Color Atlas and Textbook of Human Anatomy, 7th Edition Vol. 3 Nervous System and Sensory Organs. 2015 Thieme  原書(独語)の英訳。邦訳も文光堂から出ている(分冊解剖学アトラスIII 神経系と感覚器、越智淳三訳、文光堂、2011)が、最新版ではない。3分冊の3巻目が神経であるが、全巻持っていた方が良い。原則として見開き左頁にテクスト、右頁に精密な図という構成になっており使い易い。 2. 脳解剖学 萬年甫/原一之 1994 南江堂   古い本であるため最新の内容は含まれていないが、内容を絞って書かれているので通読に適している。神経解剖学研究の流れから伝達物質の知見までバランスよく書かれている。日本語の本としてはお勧めの一冊である。著者による神経組織のスケッチが付いており組織学実習時のよい手本となる。 3. Clinical Neuroanatomy for Medical Students. 7th edition. Snell, R. S. 2009. Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore.  定評ある古典的教科書。臨床医学との関連に重点が置かれて書かれている。日本語訳もあった(絶版)が、医学英語の勉強もかねて原書の通読を薦める。 アトラス: 4. Neuroanatomy: An Atlas of Structures, Sections and Systems. Haines, D. E. 8th edition. 2011. Lippincott Williams and Wilkins, Baltimore.   スタンダードなアトラスで、分かりやすい伝導路のまとめが付いている。邦訳あり(ハインズ神経解剖学アトラス 第4版、山内昭雄訳、MEDSI、2013)。 5. 脳の地図帳 原一之 2005 講談社 東京  日本語によるアトラスで、神経解剖のエッセンスを抽出している。知識の整理や脳解剖の全体を俯瞰したい時には優れたテクストとなるであろう。一般向けなので解剖学用語の外国語併記がないのが残念。 その他: 6. Principles of Neural Science. 5th edition. Kandel, E. R. et al. 2012 McGraw Hill, New York.  機能解剖、生理学、神経細胞生物学、臨床医学等広範囲の記述が為されていて、後々他科でも役立つであろう。Figureが良くできており、読者の理解を助ける。読み物としても面白い。 7. New Ideas on the Structure of the Nervous System in Man and Vertebrates. Ramón y Cajal, S. 1990. MIT Press.  神経解剖学・組織学のパイオニアであるCajalの業績がコンパクトにまとめられている。スケッチのすばらしさに注目して欲しい。 8. 解剖学用語 改訂13版 日本解剖学会 (編) 2007 丸善 東京  解剖学用語のラテン語・日本語対応辞典。所謂nomina anatomicaが網羅されている。
履修上の注意
神経解剖は各論の林に突入すると無味乾燥な事項の羅列のように思えるかもしれないが、これは脳の機能についてまだ学問的に説明されていない部分が多いためであり、諸君の理解力が不足しているせいではない。したがってまずは、個体・系統発生に基づいて、すでに確立されたシステム構成の根幹を解剖学的命名法とともにしっかりと把握するとよく、これを14の単元に分けて講ずる。このため、事前に教科書1の通読、ならびに教科書2によるマクロ実習の予習・復習をするとよい。特に重要な解剖学名については、必ず日本語名と英語名をセットにして記銘しよう。
その他
ミクロ実習は、スケッチブックと色鉛筆とアトラスを必ず携帯すること。 マクロ実習は、白衣・解剖用具・筆記用具・実習書・アトラスを持参すること。
実務経験と授業科目の関連性
脳神経外科、神経内科などの臨床の基礎となるとともに、脳科学全般の重要な基礎となります。