学部後期課程
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最終更新日:2024年10月18日

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放射化学

大学等におけるラジオアイソトープと放射線の利用は、研究における基礎的手段として定着している。東京大学においては、ほとんどの理科系部局にラジオアイソトープや放射線の利用者(放射線取扱者)がおり、その総数は5,000名にも及ぶ。また、アイソトープや放射線は、工業、農業、医療、その他の産業および生活環境においても広く利用されている。
本講義では、これら多方面に利用されるアイソトープと放射線の基礎について解説するとともに、それらがもたらす化学現象、それらの化学への応用や原子力について講義する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0530069
FSC-CH3307L2
放射化学
鍵 裕之
S1
水曜1限
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講義使用言語
日本語/英語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
理学部
授業計画
1)序 Introduction  放射化学という学問および関連学問分野  アイソトープ・放射線の利用と原理 2)原子核と放射能 Nuclei and radioactivity  原子核(構成と種類、核種とアイソトープ、原子の質量と結合エネルギー、原子核の安定性)  核壊変現象(放射壊変と放射能、放射性核種、壊変様式、壊変の法則と放射能、放射平衡)  天然放射性核種(放射性壊変系列、壊変系列をつくらない天然核種、宇宙線生成核種、元素合成) 3)原子核反応とアイソトープ製造 Nuclear reactions and preparation of isotopes  核反応、核反応の記載法、加速器・中性子源とアイソトープ製造 4)原子核現象と化学状態 Nuclear phenomena and chemical environments  壊変現象に及ぼす化学効果、メスバウアー効果など  アイソトープと放射線の利用  放射化分析、年代測定、生物学・医学における応用 5)放射線の性質および物質との相互作用 Properties of radiations and interactions with materials  放射線のエネルギーと透過力  荷電粒子の減速(α線、β線)  光子の減衰(γ線、X線)  中性子の反応と放射化  放射線による化学反応 6)放射線の測定法 Radiation detection and measurement  検出法の分類と原理・特徴  電離箱、GM管、シンチレーション検出器、半導体検出器、化学線量計  放射線の計数とエネルギー測定 7)放射線の生物学と防護学 Radiation biology and protection  放射線量の単位  放射線が生体に及ぼす効果  放射線のリスクと防護の考え方 8)原子核の構造と原子力 Nuclear structure and nuclear energy  原子核の種類、構造と準位  核分裂反応、原子力の原理、原子力事故、放射性廃棄物の処理・処分
授業の方法
授業は教員による講義形式で進められる。 講義時間中に簡単な計算問題を演習として課し、また講義内容の理解度を調査する目的でクイズを適宜出題するなどして、受講者の理解を助けるように努める。 Lecture and quizzes 必要に応じて日本語による補講を実施する(水曜1限または5限を予定)。 Supplementary class in Japanese will be offered if necessary (will be scheduled at 1st or 5th period on Wednesday).
成績評価方法
出席および期末試験の結果を総合し、成績評価を行う。 Class participation and final exam
教科書
使用しない。適宜以下の参考書を参照すること。 No textbook specified, but the following reference books are recommended.
参考書
「放射化学概論」 富永健、佐野博敏 著(東大出版会) 「現代放射化学」 海老原充 著(化学同人) Radiochemistry and Nuclear Chemistry, Choppin et al. (Academic Press) 「放射線を科学的に理解する 〜 基礎からわかる東大教養の講義」 鳥居寛之、小豆川勝見、渡辺雄一郎 著(丸善出版)
履修上の注意
本講義の受講は、化学科3年の無機化学・分析化学学生実験の中の放射化学実験を行うための条件となっているので、必ず履修すること。本講義の単位を取得し、放射線の人体影響と法令に関する実験講義を受け、放射化学実験を修了すれば、東京大学における放射線取扱者認定資格が得られ、全学の新規放射線取扱者講習会が免除される。 講義や試験が S2 タームにずれ込むことがある。 Part of the lecture and/or exam may be scheduled during the S2 term.