(1) 地形学とは/地形学を築いた巨人たち(須貝)4月10日
固体地球の表面形態・岩石循環と水循環の境界面・自然環境資源としての地形、周辺科学と地形学の関係、地形学の歴史(揺籃期・確立期・日本への近代地形学導入・専門分化・21世紀の地形学)
(2) 変動地形(須貝)4月17日
組織地形と変動地形、脆性変形と塑性変形、広域応力場と活構造地形、活断層(逆断層・横ずれ断層・正断層)地形、共役断層、地表地震断層、広域的な隆起・沈降と地形学的記録
(3) 気候地形(須貝)4月24日
地表の諸プロセスと気候要素、気候地形帯の概念、熱帯湿潤地域の地形、温帯湿潤地域の地形、乾燥地域の地形、寒冷地域(氷河・周氷河帯)の地形、砂丘形成、パラグレーシャル地形
(4) 河川システム(須貝)5月1日
河川の階層システム、流域システム、河道と斜面の相互作用、網状流路と蛇行流路、中規模河床形態、ダルシーの法則、河川掃流力理論、アバルジョンとクレバス地形、デルタシステム
(5) 斜面地形(小口)5月8日
形状分類、地形を表すパラメータ(傾斜・傾斜方向・曲率など)、斜面変化の数学モデルとシミュレーション、現実の斜面の統計的解析、出現頻度が高い典型的斜面形の存在とその意義、形成時期が異なる斜面の複合と古気候との関連
(6) 風化、崩壊、地すべり(小口)5月22日
基盤岩と土層、物理的風化(除荷、凍結破砕、塩類風化、乾湿風化、熱膨張)、化学的風化(溶解、水和、加水分解、酸化)、地すべりと崩壊の区分、表層崩壊と深層崩壊、地すべり・崩壊の力学(土質力学)、地すべり・崩壊の分布、地すべり・崩壊の生じやすさを規定する要因
(7) 土石流、扇状地(小口)6月5日
土石流の特徴と移動区間、土石流のモデル化(一次元と二次元、連続の式と運動方程式、差分法)、扇状地の特徴と分布、扇状地を含む河床の勾配の特徴と規定要因、扇状地の発達と気候変化、扇状地と他の堆積地形の比較
(8) デジタル標高モデル(DEM)(小口)6月12日
紙地図を用いた地形計測の古典的研究、高度-面積曲線、ホートンの法則、徳永のサイクリック・モデル、地形表現(陰影図)、レーダー測量、レーザ測量、ドローンを用いた写真測量
(9) GISの地形学的応用(小口)6月19日
DEMのGISを用いた処理、土壌侵食量の分布の推定(USLE式、地形、土壌、降雨、耕作物などの影響評価)、斜面崩壊の発生しやすさのモデル化(ロジスティック回帰、機械学習)、高解像度DEMとGISを複合した解析
(10) 第四紀の環境変動と河川地形発達(須貝)6月26日
セジメントルーテングシステム、氷期-間氷期の気候・水文環境変動と土砂移動、氷河性海水準変動に対する河川システムの応答、河成段丘の形成メカニズム
(11) 海底地形(須貝)7月3日
波浪と潮汐がつくる汀線付近の地形、海成・海底段丘、ウエーブベース・沿岸流と沿岸・浅海域の地形、陸棚の地形、海底地すべり、海底谷と海底扇状地
(12) 全体の講義のまとめ(須貝)7月10日