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最終更新日:2024年4月22日

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人間-環境システム学

自然災害や環境問題は、人間社会と地球環境の接点領域において生じる主要現象である.巨大化する自然災害は、人類社会の持続的発展にとって大きな脅威となりつつある.自然災害を生起させる様々な自然現象を対象として、それらの発生規模-頻度分布特性や地域性を解明するとともに、人間社会の変化とともに深刻化する環境問題の実態を理解することを目標とする.本講義では、世界各地でのフィールドワークの実態を紹介する。人間社会を自然環境システムの一部に位置付けることを通じて、人間社会は自然災害や環境問題といかに向きあっていくべきか、地理学的視点から論考する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0528050
FSC-EE3035L1
人間-環境システム学
須貝 俊彦
A1 A2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
理学部
授業計画
(1) 自然災害と環境問題(須貝) 自然現象と人間社会との関係史を俯瞰しつつ、自然災害や環境問題の発生原因を考える.自然災害におけるハザードとリスクの違い、発災のメカニズム、災害サイクル、災害の巨大化・長期化と自然・社会環境の変化の関係について解説する. (2) 地震津波災害(須貝) 活断層が生起してきた古地震の調査に基づく「地震発生の長期予測」の現状と課題を紹介する.津波堆積物に着目した古津波研究の一端を紹介する.巨大地震が引き起こす液状化などの地盤災害について解説する. (3) 洪水害と沖積低地(須貝) 伊勢湾台風による木曽川デルタの高潮水害、カスリン台風による利根川・中川低地洪水害、都市化にともなう内水氾濫の激化と対策など具体例を挙げながら、日本内外で発生を繰り返す水害の実態と対策について解説する. (4) 地すべり、斜面崩壊と地盤災害(小口) 降雨や地震などの誘因と、地形、地質、植生、土地利用などの素因の兼ね合いで生じる斜面のマスムーブメント(集合移動)の種類、特徴、および関連する災害について解説する. (5) 土石流と土砂災害(小口) 日本などの急峻な山地を持つ湿潤地域で頻繁に発生する土石流を取り上げ、成因、メカニズム、山麓の地形形成への影響、および関連する災害について解説する. (6) 地考古学(地学から推定される古環境への人類の適応) (小口) 水資源や動植物の分布に強く規定されていた古代人の居住や生活について、考古学的な知見と地学研究から復元される当時の自然環境を合わせて検討する手法について解説する. (7) 河川環境の化学的改変(穴澤) 鉱山開発を始めとする人為影響による河川水の酸性化プロセスと、利水上の人工的な水処理の歴史と仕組み、その問題点について解説する. (8) 温泉による環境災害 (穴澤) 火山活動の環境に対する影響と対策について、熱水起源の無機化学物質の地下水・河川水への影響と人為的な環境改変について解説する. (9) 火山による化学災害(穴澤) 沈み込み帯の火山では見られない特異な化学災害について、カメルーン火山列を例にして解説する. (10) 地球温暖化による極端気象 (茅根) 地球温暖化が生態系に与える影響として、生物分布の高緯度・高高度への移動、季節性の変化を、社会に与える影響として、気温上昇、干ばつ、こうした極端気象が様々な気候モード(ENSO, IODなど)の変調を通じて起こっていること、海面上昇などについて、これまでの観測結果と将来の予想を説明する. (11) 海面上昇とツバルの水没(茅根) 地球温暖化の影響の指標として、サンゴ礁白化と海面上昇による環礁の水没を紹介し、後者についてはツバルの例をあげてグローバル・ローカルな影響が複合した問題であることを説明する. (12) 生態工学的適応策(茅根) 地球温暖化と海面上昇に対する社会と生態工学的適応策と、地球工学的な対策(CO2の地中貯留・風化固定、森林やブルーカーボン、気候システム操作)を、地球惑星環境学の視点から評価する.
授業の方法
オムニバス形式で講義を行う。
成績評価方法
試験および平常点
教科書
特に指定しない
参考書
講義時に適宜資料配布予定
履修上の注意
毎回出席すること