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最終更新日:2024年10月1日

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大気海洋循環学

大気海洋循環学 / Introduction to Ocean-Atmosphere Circulation 担当:中村 尚・升本順夫 (by Profs. Hisashi Nakamura and Yukio Masumoto)
大気(主に対流圏)と海洋の平均的な熱構造や循環構造の実態を概観し、その仕組の理解のために必要な基礎知識を概説する。また、気候系の形成やその変動における大気・海洋循環の役割にも言及する。必要に応じて数式を用いるが、その導出ではなく、式の物理的意味の理解に重点を置く。
This course offers a descriptive, introductory overview of typical thermal and circulation structures of the atmosphere (mainly the troposphere) and ocean, providing fundamental knowledge that is necessary for understanding the mechanisms. In addition, the role of atmospheric and oceanic processes in the formation and variability of our climate system is discussed. If necessary, equations are used, but emphasis is placed on their physical interpretation rather than on their derivation.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0528020
FSC-EE3008L1
大気海洋循環学
中村 尚
S1 S2
金曜1限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
理学部
授業計画
1. 大気の鉛直構造と乾燥大気の熱力学: 地球大気の組成と気圧・気温の鉛直構造を概観し,その理解に必要な静力学平衡,理想気体の状態方程式,乾燥大気の熱力学について概説する.[中村] 2. 湿潤大気の特性と雲・降水: 湿潤大気の特性と雲・降水過程,水循環を概観し,その理解に必要な湿度,飽和水蒸気圧とClausius-Clapeyronの式, 湿潤断熱減率,エアロゾルの役割などについて概説する.[中村] 3. 大気の放射過程と 地球の熱収支: 地球大気の放射特性と温室効果,大気の熱構造(放射平衡と放射対流平衡),地球・大気系の熱収支について概観する.雲の分布や影響にも言及する.[中村] 4. 大気の南北熱構造と熱・水の循環: 緯度別の熱収支の不均衡に伴う熱エネルギーの南北輸送の仕組みや水の輸送について,移動性高低気圧や惑星規模波動の構造に関連させつつ概観する.[中村] 5. 海洋の特徴と海水の特性: 海水の特性と海洋の地勢構造の特徴について概観した後,平均的な水温塩分場の鉛直構造の維持形成過程について考察する.[升本] 6. 水温・塩分・密度の分布と水塊分布: 水塊の概念と代表的な水塊の特徴・分布・形成過程について,海表面での熱や淡水のフラックスとの関連を示しながら考察する.[升本] 7. 海洋の風成循環: 亜熱帯・亜寒帯・熱帯・極域循環などの風成表層循環系の分布と構造を各大洋での特徴も含めて概説し,これら循環系の形成に重要な力学過程を示す.[升本] 8*. 海洋の熱塩循環: 海洋表層から深層まで達する熱塩循環の構造を学び,深層循環の力学的バランスなどの関連する物理的なメカニズムについても議論する.[升本] 9. 縁辺海の海洋変動: 大洋と陸域との境界に位置する縁辺海や沿岸域における海洋変動を概観し,外洋の循環との相似性や相違点,物質循環における重要性を議論する.[升本] 10. 気候変動 I: エルニーニョ・南方振動に代表される熱帯や亜熱帯域における大気海洋相互作用の基礎を概観し,気候変動との関連を考察する.[升本] 11. 大規模大気循環の力学過程: 静力学平衡や地衡風平衡,温度風平衡,渦度収支など大規模な大気の流れに関する基礎的な力学過程について概説する.[中村] 12. 大気大循環と気候区の形成: モンスーン,ハドレー循環と貿易風・亜熱帯ジェット,惑星波,移動性高低気圧と偏西風について概観し,大気大循環と各気候区の形成との関係を概説する.[中村] 13. 気候変動 II: 中・高緯度における大気海洋相互作用や気候変動について概観する.局所的な循環異常の遠隔影響についても言及する.[中村] *6/2(金): 補講期間だが,授業を行う.
授業の方法
講義資料を配布する. Printed class note is offered.
成績評価方法
期末試験,出席点 Final exam (class attendance is also taken into account)
教科書
教科書は使用しない No textbook is assigned.
参考書
参考書:「一般気象学 (第2版)」(小倉善光著,東大出版会,1999,¥2,940)、「Atmospheric Science: An Introductory Survey(2nd Ed.)」 (by J. M. Wallace, P. V. Hobbs, Academic Press, 2006, ¥8,027)、「Descriptive Physical Oceanography: An Introduction」 (by G.L. Pickard, W. J. Emery, Butterworth-Heinemann, 1990, ¥5,655)
履修上の注意
大学院との共通講義である This is a joint class with graduate students.