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最終更新日:2025年4月21日

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応用数学XE

記述集合論入門 Introduction to Descriptive Set Theory
記述集合論は、実数全体の集合 R をはじめとするポーランド空間(可分な完備距離空間)の部分集合の性質を、それらの記述の複雑さに着目して研究する分野です。一般に記述が単純な集合は良い振る舞いをし、ルベーグ非可測性などのある種病的な性質を持ちません。この講義では、ポーランド空間の部分集合の複雑さについての階層や正則性・決定性など、記述集合論の基礎的内容を解説し、さらにボレル同値関係の理論など、比較的最近の話題についても触れます。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0505101
FSC-MA4751L1
応用数学XE
酒井 拓史
A1 A2
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
理学部
授業計画
概ね次の順序で授業を進めていきます。 0. 集合論についての準備 可算集合や順序数など、記述集合論で必要になる(素朴)集合論の基本事項を解説します。 1. ポーランド空間 可分な完備距離空間はポーランド空間と呼ばれ、実数全体の集合 R はその代表例です。他のポーランド空間の例も挙げつつ、ポーランド空間の一般論を解説します。 2. ボレル階層と射影的階層 ポーランド空間の部分集合たちは、記述の複雑さに応じて階層をなします。このような階層であるボレル階層と射影的階層について解説します。 3. 正則性と決定性 ポーランド空間の部分集合については、ルベーグ可測性やベールの性質などのある種の "良い性質" が考えられ、これらは正則性とよばれます。またこれらはある種のゲームの決定性から導かれます。正則性と決定性の関係を説明し、2 の階層のうちどのあたりまでの集合が正則性や決定性を持つかを解説します。 4. ボレル同値関係 ポーランド空間上のボレル同値関係の理論は、記述集合論の中で近年発展している分野で、関数解析やエルゴード理論と関連します。ボレル同値関係について初歩的な内容を解説します。
授業の方法
講義形式で実施します。参考資料(講義ノート)を配布します。
成績評価方法
数回のレポートで成績を評価します。
教科書
特にありません。
参考書
授業中に紹介します。
履修上の注意
素朴集合論の基礎的内容(可算集合や順序数や選択公理など)やルベーグ可測集合についての知識があると授業を聞きやすいですが、これらの知識についても授業中に補いながら進めます。