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最終更新日:2026年10月16日

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解析学XE

マルコフ連鎖と流体力学極限の離散幾何学的アプローチ
原子や分子などで構成される大自由度を持つミクロ系の相互作用則から、マクロな時間発展方程式を導出することは、統計力学の基本的な主題である。また、異なるスケール間の時間発展をつなぐ理論は、物理に限らず、経済や化学、生物などの分野でも重要である。

流体力学極限は、大自由度を持つ確率過程から、少数のマクロパラメータに関する決定論的な偏微分方程式を導出する数学的に厳密な手法であり、30年以上にわたって広く研究されてきた。その間に様々な発展があり、モデルの詳細によらない証明手法が発展してきたが、それでも適用可能なモデルのクラスが制限されていたり、実際には個々のモデルに応じた不等式が必要となるなど、まだ理論として発展が望まれる。

特に、非勾配型とよばれる広いクラスのモデルに対しては、既存の証明の背景にある数学的な構造のより深い理解と、より包括的な理論の整備が望まれている。このために最近導入された、無限直積空間上に一様性という概念を導入したコホモロジーの定式化について紹介したい。特に、ミクロなモデルが離散的な空間上のマルコフ連鎖で表現される場合において、離散幾何学的なアプローチがどのように用いられるのかを紹介することが本授業の目標である。

授業の前半では、マルコフ連鎖について、マルコフ連鎖とその重みつきグラフとの対応、また、流体力学極限に関する基本的な事項や定式化などを扱う。その後、非勾配型モデルの難しさと既存の証明のアイディアを紹介し、さらに、無限直積空間上のコホモロジーの導入、さらにこれがどのように流体力学極限に用いられるのかについて扱う。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0505093
FSC-MA4735L1
解析学XE
佐々田 槙子
A1 A2
月曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
理学部
授業計画
1. マルコフ連鎖 2. 生成作用素と定常分布 3. マルコフ連鎖の重みつきグラフによる表現 4. 排他過程と部分排他過程 5. 流体力学極限の定式化 6. エントロピー法 7. 非勾配型モデルの解析 8. 配置空間 9. 配置空間上のコホモロジー 10. 配置空間上のホッジ分解と拡散行列  授業の進行や参加学生の要望に応じて、順番が前後したり一部を扱わないこともある。
授業の方法
対面授業による。
成績評価方法
レポートによる。
履修上の注意
確率論の基礎があるとよい。群、グラフなどの定義も知っているとよい。