学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
幾何学XG
双曲力学系と位相的エントロピー
現代的な力学系理論の基礎は、「双曲力学系」と言われる(わずかな摂動により軌道の位相構造が保たれる)構造安定な力学系を特徴づける研究から生まれた多様体上の力学系のクラスで「公理A系」とも呼ばれるものである。このような力学系は安定性を持ちながらもカオス的な振る舞いを許容する。この講義では、まず双曲力学系の持つ基本的な性質を学びながら非遊走集合上の安定性定理であるオメガ安定性定理までを1つの目標とする。次に、このような安定な力学系であってもカオスが発生するため、そのカオス性を計測する位相的エントロピーを扱う。位相的エントロピーに関しては Shub による「エントロピー予想」という有名な予想があり、すでに「良い力学系」については成立することが知られている。ここでいう「良い力学系」にはオメガ安定な力学系も含まれる。時間の都合上いくつかの事実を認める必要があるが、オメガ安定な力学系についてエントロピー予想が成立することを最後に解説したい。
MIMA Search