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最終更新日:2024年4月1日

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幾何学XG

双曲力学系と位相的エントロピー
現代的な力学系理論の基礎は、「双曲力学系」と言われる(わずかな摂動により軌道の位相構造が保たれる)構造安定な力学系を特徴づける研究から生まれた多様体上の力学系のクラスで「公理A系」とも呼ばれるものである。このような力学系は安定性を持ちながらもカオス的な振る舞いを許容する。この講義では、まず双曲力学系の持つ基本的な性質を学びながら非遊走集合上の安定性定理であるオメガ安定性定理までを1つの目標とする。次に、このような安定な力学系であってもカオスが発生するため、そのカオス性を計測する位相的エントロピーを扱う。位相的エントロピーに関しては Shub による「エントロピー予想」という有名な予想があり、すでに「良い力学系」については成立することが知られている。ここでいう「良い力学系」にはオメガ安定な力学系も含まれる。時間の都合上いくつかの事実を認める必要があるが、オメガ安定な力学系についてエントロピー予想が成立することを最後に解説したい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0505085
FSC-MA4723L1
幾何学XG
林 修平
A1 A2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
理学部
授業計画
以下の内容について、ほぼこの順番に講義する予定である。 1) 力学系の例 2) 双曲的ふるまい (Hartman-Grobmanの定理) 3) C^r位相と安定・不安定多様体 4) 傾き補題 (lambda-lemma)と円錐場 (cone-field) 判定法 5) 双曲型集合とDAアトラクタ 6) 擬軌道追跡性 7) オメガ安定性定理 8) 位相的エントロピー 9) 閉補題 (Closing Lemma) とエルゴード閉補題 (Ergodic Closing Lemma) 10) ホモクリニック接触とエントロピー予想
授業の方法
通常の講義をオンラインで行う。画面を板書のように用いるため、講義の速度は対面授業とほぼ同じである。 授業後に板書をPDFにしたファイルをITC-LMSにアップロードして学習の便宜を図る。
成績評価方法
レポートによる。
教科書
用いない。
参考書
授業中に指示する。
履修上の注意
主に「集合と位相」と「多様体の基礎」を予備知識として仮定する。