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最終更新日:2024年10月18日

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計算数理II

偏微分方程式に対する理論的な数値解析の基礎
偏微分方程式に対する理論的な数値解析学の基礎について学ぶ.自然科学や社会科学の現象を数式を用いてモデル化し,得られた数理モデルを解析するという考え方は,現象の予測や制御を行う上で必須のアプローチとなっている.時間と空間に依存して変化するような現象では,数理モデルとして偏微分方程式が得られることが多いが,通常はその解を陽に書き下すことは不可能である.そのような問題の解の様子を知りたい場合,コンピュータを用いた数値シミュレーションが有力な選択肢となる.コンピュータは基本的に有限回の四則演算しか扱えないため,偏微分方程式を数値計算可能な形式に離散化・近似する作業が必要になるが,「どのように離散化・近似を行えばよいか」「その離散化・近似は数学的に正当化できるのか」といった点は非自明である.この講義では,基本的な偏微分方程式を対象として,差分法や有限要素法といった代表的な数値計算手法を紹介する.さらに,それらの手法に対する理論的・数学的な結果(近似解の安定性や収束証明)について解説する.なお,授業の進度によって内容を変更することがある.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
0505047
FSC-MA4551L1
計算数理II
柏原 崇人
S1 S2
水曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
理学部
授業計画
1. 放物型方程式(熱方程式)に対する差分法  陽解法・陰解法  安定性解析(行列の固有値によるもの・von Neuammの方法・最大値原理)と収束証明 2. 双曲型方程式(移流方程式)に対する差分法  風上差分法の導出・安定性解析・収束証明 3. 楕円形方程式(Poisson方程式)に対する差分法  最大値原理・収束証明 4. 楕円形方程式(Poisson方程式)に対する有限要素法  弱形式・Lax-Milgramの定理・三角形分割・補間誤差評価・Galerkin直交性 5. 放物型方程式(熱方程式)に対する有限要素法  空間半離散問題・時間半離散問題・時空間全離散問題
授業の方法
講義形式で行う
成績評価方法
レポートによって評価する
教科書
指定しない
参考書
『偏微分方程式の計算数理』齊藤宣一著、共立出版、2023年 『数値解析入門』 山本哲朗著、サイエンス社、2003年 『偏微分方程式の数値解析』 田端正久著、岩波書店、2010年 Partial Differential Equations with Numerical Methods, S. Larson and V. Thomée, Springer, 2003.
履修上の注意
学部3年レベルの初等的な数値解析の知識があれば授業の理解の助けとなる.ただし,それを知っていることを前提とはしない.
その他
数理分類番号:551