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最終更新日:2026年10月16日
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韓国朝鮮文化特殊講義IV
社会・文化人類学と民族誌
グローバル化が進み流動性が高まる現代社会においても,現場に密着したローカルな経験とそれを叙述する民族誌の実践を通じて人類学者が形作られるという物言いは妥当性を保つものであろう。このローカルな経験は,人類学者の主観(世界経験)と現場の人たちのそれとが架橋されるような間主観的な契機を含むとともに,客観主義的に捉え直せば,人間と非-人間の複雑で動態的なネットワークのなかで実行(enact)されるともいえる。「有機的全体」,実体論的/関係的な「構造」,相互行為・社会過程,生きられる「文化」,脈絡と意味,「ハビトゥス」・実践感覚といった人類学的な民族誌研究に援用される諸々の概念は,この間主観的な世界経験や諸アクタントのネットワークのある部分や属性に光を当てるもので,その概念化が民族誌の実践に埋めこまれ(包摂され),またそれを促してきたのだといえる。
この講義では,フィールドワークと民族誌の方法が学的規範として確立されて以降の社会・文化人類学の展開について,民族誌的記述の深化と理論的視角の洗練を交差させつつ検討する。具体的には機能主義・構造機能主義,構造主義,相互行為・社会過程論的アプローチ,文化相対主義,解釈人類学,ジェンダー人類学,実践理論ならびに近年の存在論的転換(余裕があれば)について,個別の民族誌を参照しつつ実践的な理解を試みる。
この講義は,民族誌的手法との関連で,社会・文化人類学の方法論的基盤を捉えなおすことを目標とする。さらに文学部の講義としては,学的教養としての社会・文化人類学,すなわち隣接諸分野から社会・文化人類学の研究業績を参照する際に踏まえるべき知識や理論・方法論の理解を目論むものでもある。
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