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最終更新日:2026年10月16日
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西洋史学特殊講義II
初期中世ヨーロッパ人の世界観と想像力
人間は、それぞれが生きる社会の内側で「常識」を身につけ、その判断基準をもって自分たちの社会の「外部」にいる人々や世界へと眼差しを向ける。こうした内と外の対照によって世界を理解しようとする姿勢は、もちろん現代に特有のものではなく、歴史の中で繰り返し見られる普遍的な営みである。本講義では、初期中世ヨーロッパ、なかでもカロリング朝期のフランク世界に生きた人々が抱いた世界観と想像力を、そのような「他者認識」「外界認識」という視点から検討する。彼らが向き合った外部世界には、古代的(ローマ的)権威を帯びたビザンツ帝国、アッバース朝やイベリア半島のイスラーム政権、北方から襲来するヴァイキング、さらにスラブ系諸民族など、複数の文化圏が広がっていた。しかしこうした外部世界について、人々が持ち得た同時代的な知識、情報には濃淡があったうえ、古代以来の著作家たちの証言という権威がもたらす様々なバイアスも無視できない。加えて人々は、自分たちの認識が及ばないところについては想像力を働かせた記述もいとわなかった。
本講義では、人々がこれらの他者をどのように理解し、秩序づけたのか(それは世界の中での自らの位置付けにもつながる)を、歴史叙述・書簡・地誌・聖人伝・幻視などの史料を通じて探る。外交的接触、宗教的観念、古代知識の伝統が交錯する認識の構造をたどることで、初期中世ヨーロッパの人々の世界観の諸相を明らかにする。
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