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最終更新日:2025年4月21日

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美学芸術学特殊講義IV

アニメの表現史
本講義では、広大なアニメーション表現から、草創期から現代に至るまでの主として日本の「アニメ」に焦点を当て、その歴史的展開を辿る。ただし、マンガ・アニメについてしばしばみられる無根拠な日本特殊論に陥ることなく批判的に検討することが重要である。アニメは草創期においてはアメリカのアニメーションの影響が強く、その後もハリウッド映画やディズニーなどから様々な影響を受けながら発展してきたからである。また現在では、グローバルな「アニメ」が日本というナショナルな枠を超えて展開している点にも注目したい。
アニメは実写映像と一定の緊張関係を保ちながら、マンガや特撮・ビデオゲームなどと密接に関連しつつ発展してきた「ハイブリッド」な表現媒体である。このような特性を踏まえつつ、テレビ・劇場・OVAなどを経て配信に至る媒体の多様化、セル画からデジタル、CGへの技術革新の流れを、代表的作品の分析を通じてアニメをその構成要素の点から批評的に検討する。
本講義では「〜年代」というディケイドごとの共通特性に主として注目し、ジャンルやファンダムなどのトピックについても随時扱う。特にCGの導入前後の表現変化に着目し、今なお進行中である技術と表現の相互関係を重視する。日本アニメの表現技法の歴史を体系的に理解し、現代のアニメ表現の可能性と課題について考える視座を養うことを目指したい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04250644
FLE-HU2F03L1
美学芸術学特殊講義IV
石岡 良治
A1 A2
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
※受講生の関心および授業進行に応じて、ある程度の変更もあり得る 1  アニメーションの中の「アニメANIME」(1):草創期の日本アニメーションについて 2  アニメーションの中の「アニメANIME」(2):第二次世界大戦前後のメルクマール 3  スタジオジブリ例外論の再検討:『On Your Mark』(1995)などを題材に 4  アニメの表現史を概観する:各ディケイドのメルクマールとしての『ゲゲゲの鬼太郎』 5  1960年代のアニメ:テレビ番組の構成要素および「テレビまんが」の領野 6  1970年代のアニメ:ジェンダー化されたジャンルとしての「ロボット」「魔法少女」など 7  1980年代のアニメ:アニメファンダムの諸問題とOVAの成立 8  1990年代のアニメ:ポスト冷戦期のアニメと英語圏における受容の広まり(押井守・庵野秀明・今敏etc.) 9  2000年代のアニメ:動画サイトの普及と東アジア圏における受容の広まり(京アニ・シャフトetc.) 10 CGとロトスコープをめぐる表現史的問題:「アニメの平面美学」の確立と変容 11 2010年代のアニメ:コンテンツツーリズムとイベントの重要性(ポストジブリ系作品やアイドルアニメなど) 12 2020年代のアニメ:ポスト『鬼滅の刃』状況を批評的に捉える 13 アニメの批評的表現史のために(まとめ)
授業の方法
講義形式で行い、随時コメントシートのフィードバックを行う。
成績評価方法
平常点で行う(指定されたコメントシート、中間レポートおよび最終レポートを提出すること)
教科書
石岡良治『現代アニメ「超」講義』(PLANETS)
参考書
高瀬康司編著『アニメ制作者たちの方法』(フィルムアート社)、石岡良治『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社)、その他、随時紹介する。
履修上の注意
歴史的観点を重視するので、現代の有名作品だけでなく、各年代のアニメ表現に親しむことが望ましい。 講義の終わりに次回のテーマを述べるので、関連事項についての予習(なんらかの作品の視聴)を求める予定である。 講義では扱いきれない関連情報をUTOLで示すので、エンタメとしてアニメに親しむだけでなく、学術的アプローチについて意識しつつ能動的に参加してほしい。