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最終更新日:2025年4月1日

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宗教学宗教史学特殊講義VII

ユダヤ教概念の系譜
 ユダヤ教とは何か。それを探究するための方法のひとつとして、ユダヤ教がどのように描かれてきたのかを検討することが挙げられる。それは、ユダヤ教の歴史的な展開をたどることや、現代世界におけるユダヤ教の多様なあり方を明らかにすることとは位相の異なるアプローチであり、端的に言えば、「ユダヤ教とは何か」という問いそのものを探究の主題とすることである。ユダヤ教はその宗教的な伝統を守る者たちによってだけでなく、ときにその伝統に対抗する者たちによっても描かれてきた。また、近代以降は諸宗教のひとつとして、さらには学術的な研究の対象としても描かれてきた。本講義では、ユダヤ教が描かれるときの歴史的な文脈や、ユダヤ教をなんらかの言葉や観念で表現しようとする者たちの目的や意図に注目し、4つの視点からの検討を試みる。
 本講義の到達目標は、①ユダヤ教を描こうとする者たちの多様な目的と背景を理解する、②ユダヤ教についての異なる描写を比較することができる、③ユダヤ教の事例を通じて、研究と運動の関係性や、宗教を比較するという研究方法について、履修者自身が自分の見解を表現できる、という3点で構成される。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04250547
FLE-HU4E03L1
宗教学宗教史学特殊講義VII
志田 雅宏
A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
各回の授業内容は以下のとおりである。なお、進捗状況に応じて内容の変更等もありうる。 第1回 イントロダクション:だれが、なぜ、ユダヤ教を描くのか 【第1部:真/偽の境界線】 第2回 「ユダイスモス」の意識の芽生え:ヘレニズムへの対抗 第3回 「イスラエル」とは誰か:パウロと初期のラビたち 第4回 正統と異端:キリスト教、ラビ・ユダヤ教、その他のユダヤ教 【第2部:自己定義とその批判】 第5回 神学の試み:サアディア・ガオンとイェフダ・ハレヴィ 第6回 体系化の試み:マイモニデス 第7回 啓示宗教としてのユダヤ教:スピノザ 【第3部:他者のまなざしへの意識】 第8回 異端と破門:シャブタイ派の展開を例に 第9回 儀礼の観察:ユダヤ教をどのように説明するか 第10回 ユダヤ教は「宗教」か:近代におけるユダヤ教観の対立 【第4部:宗教学とユダヤ教】 第11回 ユダヤ教の研究と運動の結びつき:宗教間対話とフェミニズムを例に 第12回 日本におけるユダヤ教研究:現状と課題 第13回 比較宗教とユダヤ教研究:イスラエルの宗教学を事例に
授業の方法
講義形式でおこなう。
成績評価方法
小テスト(10%)と最終レポート(90%)にて評価する。
教科書
指定しない。
参考書
授業のなかで適宜紹介する。
履修上の注意
講義資料は事前にITC-LMSにアップする。受講にあたって予習してくることが望ましい。 ユダヤ教の用語や人物については授業でも説明するが、必要に応じて百科事典等で予習や復習をすること。事典として、The Oxford Dictionary of The Jewish ReligionとEncyclopaedia Judaica、『ユダヤ文化事典』の三点を推奨する(いずれも宗教学研究室にて所蔵あり)。