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最終更新日:2025年4月1日
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応用倫理特殊講義VII
ケアの倫理入門
本講義では、キャロル・ギリガンが提唱した「ケアの倫理」を起点にしながら、育児、介護、看護等のケア実践のみならず、配慮や思いやりなどのケア精神が文学においていかに表象されてきたかについて考えていく。ギリガンの『もうひとつの声で』(風行社)や『抵抗への参加』(晃洋書房)、ケア・コレクティヴ『ケア・宣言 相互依存の政治へ』(大月書店)などの議論を振り返りながら、ギリガンがナラティヴ(物語)を用いて「ケア」とは何かを探求していく方法論も見ていく。また、ギリガンに影響を及ぼした作家としては「ケアとジェンダー」の問題意識を創作に活かしたイギリスの作家ヴァージニア・ウルフがいる。この文脈で読める文学としては、ウルフ『灯台へ』、アンネ・フランク『アンネの日記』、松田青子『おばちゃんたちのいるところ』などがあるだろう。この「ケアとジェンダー」以外に、「ケアと他者」「ケアと脆弱性」「ケアと戦争」といったテーマも扱う。具体的には、メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』、シェイクスピア 『リア王』、カフカ『変身』、大江健三郎『万延元年のフットボール』、ウルフ『三ギニー』、ハン・ガン『菜食主義』『別れを告げない』などをケアの倫理という切り口で読み解いていく。
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