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最終更新日:2024年4月22日

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社会学特殊講義XI

親密圏の社会学
現代社会では、家族や恋人、友人といった人間関係は、もはやそれらの類型では内実を捉えきれないほどに多様化している。また、人間関係を取り巻く環境も、情報メディアの発達にともない大きく変容している。本授業では、主に親密圏という視点から、現代の人間関係を社会学的に分析できるようになることを目標とする。

講義は、概ね以下の順番で進めてゆく(受講者の興味・関心に合わせて変更する場合もある)。
①親密圏および親密性の概念について、両者の異同に注意を払いつつ、いくつかの定義を紹介する。
②近代家族をベースとした規範的な家族像と、現代の親密圏を、通時的・共時的に比較する。
③現代の親密な関係が孕む困難を、暴力や共依存といった具体的な現象を取り上げることで、明らかにする。
④そうした困難への処方箋となりうるオルタナティブな親密圏のあり方を、可能性とリスクの両面から議論する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04244351
FLE-HU4Z03L1
社会学特殊講義XI
中森 弘樹
A1 A2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
1 イントロダクション 2 親密圏への問い 3 再帰的近代化と純粋な関係性 4 家族と親密圏①――近代家族の成立から揺らぎまで 5 家族と親密圏②――家族の個人化 6 性愛の変容――ロマンティック・ラブからコンフルエント・ラブへ 7 CMC(あるいは非対面的コミュニケーション)と人間関係 8 親密性と共同性 9 親密圏の困難①――共依存、親密な関係の切断(の難しさ) 10 親密圏の困難②――親子関係、反出生主義、アイデンティティ 11 オルタナティブな親密圏へ①――当事者たちによる共同性 12 オルタナティブな親密圏へ②――生と性をシェアすることは可能か 13 全体の振り返りとディスカッション――親密圏でままならない他者と生きる
授業の方法
講義形式を基本とするが、ディスカッションを中心とした回も設ける。 各回の講義時間は90分程度にとどめ、残りの時間でリアクションペーパーを記入してもらう。リアクションペーパーの提出をもって出席とする。
成績評価方法
授業への参加状況 30% / 期末レポート 70%
教科書
指定しない(授業内でスライド資料を配布する)
参考書
落合恵美子、2019、『21世紀家族へ――家族の戦後体制の見かた・超えかた 第4版』有斐閣。 Morgan, H. J. David, Rethinking Family Practices, Palgrave Macmillan.(=2017、野々山久也訳、『家族実践の社会学――標準モデルの幻想から日常生活の現実へ』、北大路書房。) 野口裕二、2018、『ナラティヴと共同性――自助グループ・当事者研究・オープンダイアローグ』、青土社。 中森弘樹、2022、『「死にたい」とつぶやく――座間9人殺人事件と親密圏の社会学』、慶應義塾大学出版会。 中森弘樹、2017、『失踪の社会学――親密性と責任をめぐる試論』、慶應義塾大学出版会。
履修上の注意
自身にとって関心のある人間関係上の現象や問題と、授業で得た知見を照らし合わせることで、考察を深めていってください。