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社会心理学特殊講義II
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最終更新日:2024年10月18日
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社会心理学特殊講義II
感情と意思決定の認知神経科学
心理学における中心的なテーマの1つである感情について、研究史における理論の変遷や実証的知見の蓄積を経て、現在どのような議論がなされ理解されているのかを概説する。それを踏まえ、特に身体内部の感覚である内受容感覚から感情が創発され、身体状態が調整され、環境適応のために行動を選択する意思決定がなされる一連の過程を支える脳と身体のメカニズムを考察する。さらに、それらのメカニズムを数理的に表現する計算論モデルについても紹介する。
本授業の目的は次のとおりである。1.認知神経科学とはどのような研究領域であるかを理解する。2.感情、学習、意思決定などの心理学において重要な現象が、脳と身体の機能的関連から生じてくること、またそのメカニズムを理解する。3.近年、脳の研究で優勢になっている予測符号化、自由エネルギー原理と呼ばれる理論について概念的に理解し、その数理的表現の基礎を理解する。4.以上の学習を通じて、脳と身体という観点から、人間について深く洞察する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04244242
FLE-HU4Y02L1
社会心理学特殊講義II
大平 英樹
A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
文学部
授業計画
本授業では、次の内容について講義を行う。 1.自己紹介と導入:生理心理学・認知神経科学とはどんな研究領域であるか 2.心理学における感情の理論:基本情動理論・認知的評価理論・心理構成主義 3.感情を紡ぎ出す脳1:扁桃体の機能 4.感情を紡ぎ出す脳2:島皮質の機能 5.感情を紡ぎ出す脳3:感情制御と社会脳の神経メカニズム 6.予測符号化と自由エネルギー原理1:知覚と運動 7.予測符号化と自由エネルギー原理2:内受容感覚と感情への拡張 8.予測符号化と自由エネルギー原理3:内受容感覚の計算論モデル 9.身体化された意思決定1:意思決定の神経メカニズムと強化学習モデル 10.身体化された意思決定2:意思決定における身体状態とホメオスタシスの意義 11.身体化された意思決定3:意思決定を規定する脳と身体の同期 12.身体化された意思決定4:ストレスとその身体反応が意思決定に与える影響 13.脳と免疫系の相互作用1:精神神経倍分泌免疫学 14.脳と免疫系の相互作用2:免疫と学習・意思決定の機能的関連 15.まとめと結論:脳と身体の観点からに人間をどう理解するべきか
授業の方法
本授業は、対面による集中講義により行う。各授業日の最後に、当日の授業内容に関する小サポートを提出する。小レポートでは授業への質問を記載することができ、翌日の冒頭に質問に回答する。
成績評価方法
授業への貢献(質問や議論への参加・発言)10%、小レポート20%、最終レポート70%
教科書
特に指定しない。授業時に資料を配布する。また、授業において授業の理解に有益なウエブ・サイトを紹介する。
参考書
大平英樹 『感情心理学・入門』 有斐閣 内山伊知郎 (監修) 『感情心理学ハンドブック』 北大路書房 乾敏郎 『感情とはそもそも何なのか:現代科学で読み解く感情のしくみと障害』 ミネルヴァ書房 乾敏郎・阪口豊 『脳の大統一理論: 自由エネルギー原理とはなにか』 岩波科学ライブラリー ヤコブ・ホーヴィ (著), 佐藤亮司, 太田陽, 次田瞬 (訳) 『予測する心』 勁草書房
履修上の注意
特にないが、参考書を読んで授業に臨むと理解の助けになる。
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