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最終更新日:2024年4月22日
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スラヴ語学スラヴ文学演習VIII
19世紀ロシア文学読解(2)
ロシア散文の黄金時代と言われる19世紀後半のロシア文学は、時を経ても読まれ続け、さらに翻訳されることによって、世界文学の古典と呼べるものとなりました。そのような古典としての作品に接する時、わたしたちは、後世における解釈・評価に色づけられ、正典化されたものとして作品を受け取ります。あるいはまた、正典化され普遍性を獲得した作品に対して、現在のわたしたちが共感し、わたしたちのもつ現代的な問題関心を接木していくこともできるでしょう。
しかし当然ながら作家たちは、自らの置かれた一回限りの環境のなかで、さまざまな言説に絡みとられながら執筆活動を行なっていました。研究対象として作品テクストに接するにあたっては、こうした作品テクストが生まれた時代の歴史性を理解することが欠かせません。
そのため本演習ではまず、Sセメスター「19世紀ロシア文学読解I」の続きで、そうしたロシア作家のなかでも最も有名なドストエフスキーの作品が発表された当時の批評を読むことにより、正典としてのバイアスをとりはずして作品テクストの理解を深めていきたいと思います。作品テクストを生んだ当時の文学環境の把握というこの作業が、作品へのわたしたちの新たなアプローチの発見にもつながればと思います。
この作業が終わったら、ドストエフスキー作品と関係する同時代のさまざまな問題を扱った研究論文を読んでいきます。
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