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最終更新日:2024年10月18日

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宗教学宗教史学特殊講義VIII

世界最古の文明の実像
古代メソポタミア史について講義する。第1部では、古代メソポタミア史の空間と時間、研究が依拠する史料の問題、研究史と今後の課題について紹介する。第2部では主に政権の興亡に着目しながら、紀元前4千年紀から紀元前後の時代までのメソポタミア史を概観する。第3部では当時の人々の生活から、経済産業の基盤、神殿や王宮などの組織の運営まで当時の社会の諸相について論じる。第4部では、宗教伝統、『ギルガメシュ叙事詩』などの文学作品、そして知の伝統とその担い手たちの活動に着目しながら、文化の諸相について検討する。
本講義の到達目標は、古代メソポタミア史の研究方法について理解を深めること、古代メソポタミア史の諸問題について学ぶことである。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04240548
FLE-HU4E03L1
宗教学宗教史学特殊講義VIII
柴田 大輔
A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
第1部 メソポタミアの歴史を書く 第1回 古代メソポタミア史の空間と時間  ティグリス川とユーフラテス川──沖積平野とステップ地帯  周辺地域──湿原、山脈、沙漠  古代と現代の自然環境、環境変動  古代メソポタミア史の始まりと終わり  古代メソポタミア史の時代区分  年代の測定法 第2回 楔形文字文書とはなにか──史料の問題  西アジアの遺跡、遺構、遺物  楔形文字と粘土板文書  楔形文字文書の媒体  楔形文字による書字法  楔形文字の発明と発展  楔形文字文書の内容  その他の史料 第3回 メソポタミアをどのように研究してきたのか  メソポタミア文明の発見  メソポタミア研究の誕生  メソポタミア研究の政治学──ウィルヘルム2世、アドルフ・ヒトラー、サダム・フセイン  メソポタミア研究の現状と課題 第2部 政権の興亡 第4回 都市と国家の誕生──紀元前四・三千年紀  ウルク時代  初期王朝時代  アッカド王朝時代  ウル第三王朝時代 第5回 諸大国の攻防と共存──紀元前二千年紀  アムル人の時代  ハンムラピの野望  暗黒時代?  新たなる諸大国と「国際交流」  アラム人の登場 第6回 帝国の時代──紀元前一千年紀  アッシリア帝国  新バビロニア帝国  アケメネス朝ペルシア帝国  ヘレニズム時代のバビロニア  エサギル神殿の解体 第3部 社会の諸相 第7回 人々はいかに生まれ、愛し、死んだか──ライフスタイルの実態  メソポタミアの家制度  衣食住  古代メソポタミアの人々にとっての「時間」──時、日、月、年  ライフイベント──出産、育児、結婚、離婚、介護、相続 第8回 経済と産業の基盤は何か  農業  畜産  手工業  交易 第9回 社会はどのように運営されたのか──組織と秩序  都市と住民  都市の外側と季節遊牧  神殿  王宮  司法  軍隊 第4部 文化の諸相 第10回 人々はなにを信じたか──信仰、祭祀、神学  古代メソポタミアの神観  神殿祭祀  祖先供養と家内祭祀  古代メソポタミアの「一神教」 第11回 神々、怪獣、英雄、賢者──神話と文学  世界の創造  神々の戦争  人間の創造  太古の大洪水  『エヌマ・エリシュ』  『ギルガメシュ叙事詩』  知恵文学  民話 第12回 学問はどのように受け継がれたか──知の担い手たち  古代メソポタミアの「学問」とは  占い──迷信か科学か  「呪術的」技法──古代メソポタミアの祓魔術  語彙と文法──最古の言語学  自然科学の始まり  学者のサークルとネットワーク 第13回 古代メソポタミア文明の記憶と遺産
授業の方法
講義形式で行うが、時には受講者に質問する。
成績評価方法
小テスト(40%)と期末レポート(60%)にて評価する。
教科書
教書は指定しない
参考書
Karen Radner, Nadine Moeller, and D. T. Potts (eds.), The Oxford History of the Ancient Near East (5 vols.), Oxford University Press, 2020-2023 ほか、授業内で紹介する。
履修上の注意
本講義で扱う文献はシュメール語とアッカド語のものが多いが、授業では可能な限り試訳をもちいる。そのため、シュメール語やアッカド語の知識を履修条件とするものではない。