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最終更新日:2024年10月18日

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宗教学宗教史学特殊講義VI

ユダヤ教とフェミニズム
 現代のユダヤ教における新たな運動のひとつにフェミニズムが挙げられる。この運動の担い手たちの多くは、ユダヤ教の伝統とフェミニズムがたがいに相容れない対立的な関係にあるという認識を共有している。そして、その要因として、聖書やタルムードといったユダヤ教の教典における男性中心的な世界観や価値観、ラビ・ユダヤ教の規範やそれにもとづくユダヤ人たちの社会が前提とする家父長制的な制度に批判的なまなざしを向けている。現代におけるユダヤ教のフェミニズムは、これらの要因が内包する倫理的および実践的な問題を指摘し、解決するだけでなく、前述の対立的な関係性そのものを変えていくという大きな展望のもとで展開されている。その取り組みは、聖書やタルムードの批判的な読みなおし、結婚や離婚の法が前提とする男女関係に対する再考、礼拝やトーラー学習への女性の参加の促進、そして革新的な神学や哲学の構築など、きわめて多岐にわたる。本講義では、日本ではまだ知られていない現代のユダヤ教フェミニズムを取り上げ、その主要な論点について考察する。
 本講義の到達目標は、①アメリカ合衆国とイスラエルにおけるユダヤ教フェミニズム運動の歴史と現状を理解する、②ユダヤ教フェミニズムの諸論点を理解する、③ユダヤ教やその他の宗教におけるフェミニズム運動について、具体的な事例を挙げながら自身の見解を表現できる、という3点で構成される。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04240546
FLE-HU4E03L1
宗教学宗教史学特殊講義VI
志田 雅宏
A1 A2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
各回の授業内容は以下のとおりである。なお、進捗状況に応じて内容の変更等もありうる。 第1回:イントロダクション 第2回:概観①アメリカ合衆国におけるユダヤ人のフェミニズム運動 第3回:概観②イスラエルにおけるユダヤ人のフェミニズム運動 第4回:フェミニズム的聖書解釈①:創世記のふたつの創造物語 第5回:フェミニズム的聖書解釈②:ホセア書1-2章 第6回:タルムードにおける結婚観への批判的なまなざし 第7回:中世のユダヤ人社会へのジェンダー的視点 第8回:女性たちのタルムード学習 第9回:女性が祈りに参加するためのハラハー的革新 第10回:ユダヤ・フェミニズム神学の構築:ジュディス・プラスコウの思想 第11回:現代ユダヤ教におけるフェミニズム思想①:レイチェル・アドラーの思想 第12回:現代ユダヤ教におけるフェミニズム思想②:タマル・ロスの思想 第13回:まとめ
授業の方法
講義形式でおこなう。
成績評価方法
小テスト(10%)と期末レポート(90%)にて評価する。
教科書
指定しない。
参考書
授業のなかで適宜紹介する。
履修上の注意
講義資料は事前にUTOLにアップする予定である。受講にあたって予習してくることが望ましい。 ユダヤ教の用語や人物については授業内でも説明するが、必要に応じて百科事典等で予習や復習をすること。文献として、The Oxford Dictionary of The Jewish ReligionとEncyclopaedia Judaicaの二点を推奨する(いずれも宗教学研究室にて所蔵あり)。