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最終更新日:2024年10月18日
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宗教学宗教史学特殊講義VI
ユダヤ教とフェミニズム
現代のユダヤ教における新たな運動のひとつにフェミニズムが挙げられる。この運動の担い手たちの多くは、ユダヤ教の伝統とフェミニズムがたがいに相容れない対立的な関係にあるという認識を共有している。そして、その要因として、聖書やタルムードといったユダヤ教の教典における男性中心的な世界観や価値観、ラビ・ユダヤ教の規範やそれにもとづくユダヤ人たちの社会が前提とする家父長制的な制度に批判的なまなざしを向けている。現代におけるユダヤ教のフェミニズムは、これらの要因が内包する倫理的および実践的な問題を指摘し、解決するだけでなく、前述の対立的な関係性そのものを変えていくという大きな展望のもとで展開されている。その取り組みは、聖書やタルムードの批判的な読みなおし、結婚や離婚の法が前提とする男女関係に対する再考、礼拝やトーラー学習への女性の参加の促進、そして革新的な神学や哲学の構築など、きわめて多岐にわたる。本講義では、日本ではまだ知られていない現代のユダヤ教フェミニズムを取り上げ、その主要な論点について考察する。
本講義の到達目標は、①アメリカ合衆国とイスラエルにおけるユダヤ教フェミニズム運動の歴史と現状を理解する、②ユダヤ教フェミニズムの諸論点を理解する、③ユダヤ教やその他の宗教におけるフェミニズム運動について、具体的な事例を挙げながら自身の見解を表現できる、という3点で構成される。
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