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最終更新日:2025年4月21日

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スラヴ語圏言語文化

ロシア語史
 スラヴ世界において、スラヴ語のための文字が考案されテクストが作成されるようになったのは9世紀中頃である。東スラヴに関しては、988年にキエフ・ルーシがキリスト教を受容し、それに伴って主にブルガリアから教会スラヴ語で書かれた典礼書が流入したのを契機に、文献の書写や作成が行われるようになった。現存する東スラヴ最古の文献は10世紀末から11世紀前半の時期に成立した『ノヴゴロド詩篇』、年代が確定しているものとしては1056-57年に制作された『オストロミール福音書』である。
 この授業では、9-14世紀の東スラヴ語、ならびに15-17世紀のロシア語において生じた変化を歴史文法の観点から学ぶと同時に、この時代に成立した⽂献を読解することで、古東スラヴ語、中世ロシア語の具体的な様相を知ることを目標とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04233321
FLE-HU4T04L4
スラヴ語圏言語文化
丸山 由紀子
A1 A2
金曜2限
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講義使用言語
日本語/ロシア語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
 S1タームでは、はじめに木村彰一著『古代教会スラヴ語入門』163頁の「ヘロディアスの娘」(マリア写本)を読む。そのあと、9-14世紀の東スラヴ語に生じた変化を学び、またこの時代に成立した文献を読解する。読解テクストは11世紀80年代に成立した『洞窟修道院フェオドーシイ伝』を予定している。  S2タームでは15-17世紀のロシア語に生じた変化を概観すると共に、この時代に成立した文献を読解する。読解テクストは1417-1418年にエピファニイ・プレムードルイが執筆し、15世紀中葉にセルビア人修道僧パホーミイによって新たな版が作られた『ラドネジのセルギイ伝』を予定している。
授業の方法
授業はテクスト講読を基本とする。受講者は毎回、講読箇所を予習し授業に参加する。 あわせて、11-14世紀の東スラヴ語、15-17世紀のロシア語に生じた変化を概説する。
成績評価方法
平常点ならびに期末レポート。
教科書
佐藤純一『ロシア語史入門』、大学書林。 木村彰一『古代教会スラヴ語入門』、白水社。 どちらも学期期間中、スラヴ語スラヴ文学研究室から借りられます。
参考書
必要に応じて授業中指示する。
履修上の注意
ロシア語の基礎知識があること。また、古教会スラヴ語の学習歴があることが望ましい。 予習ではロシアで出版された古東スラヴ語辞典、中世ロシア語辞典を使用することになります。 事前に受講者の状況を把握するため、授業開始までに以下の点を講師にITC-LMSで伝えてください。 1.古教会スラヴ語、古東スラヴ語、中世ロシア語に関する授業を受講したことがあるか。 2.古教会スラヴ語、古東スラヴ語、中世ロシア語で書かれた文献の講読経験はあるか。ある場合は、何を読んだか。 3.受講理由と目的。
その他
古教会スラヴ語既修者は、初回授業までに「ヘロディアスの娘」の言語分析を行ってくること。