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最終更新日:2025年4月21日
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英語学英米文学演習IV
文学と批評 6
~ トマス・ハーディ『ダーバヴィーユ家のテス』を読む
S1-S2学期を通して一冊の長編小説をじっくり読み進める授業です。英語の小説を読むときにどのようなところに注目すればいいか、どのような言葉でそれを話題にすればいいかなどを、実際に作品から重要ポイントを引用しながら練習します。この授業を通して、文学作品について語るための方法を身につけてもらえればと思います。
春学期のテクストはトマス・ハーディ『テス』(Thomas Hardy Tess of the d'Urbervilles: A Pure Woman Faithfully Presented)です。トマス・ハーディは昔から日本でも大人気の作家で、代表作『テス』は実に一四種類もの翻訳があります。たしかにハーディの作品は「節操ないくらいおもしろい」と言えるところがあって、特に『テス』は主人公のテスが運命に翻弄される粗筋だけ見ると実に陰々滅々たるものなのですが、実際に作品を読み進めると、主人公の魅力やエネルギーに満ちた行動力のおかげでメリハリがしっかりあり固唾をのむような展開も連続、その上、焦らしやサスペンスまで用意されています。最後のグロテスクな事件と美しくも悲しい映像的な結末に至るまで読みどころに満ちています。
授業ではこうした要素を単におもしろがるだけでなく(おもしろがってはいけない、というわけではありませんが)、その一歩先に進めることでアカデミックな考察につなげてもらいたいと思います。
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