第1回はガイダンスとする。履修希望者は可能な限り参加すること。授業の趣旨や進め方を説明するほか、受講者の属性・学習歴・関心などを把握し、授業の方針を定める助けとする。質問や要望があれば相談されたい。
第2回は、授業で読む『楚辞』のテキストを紹介し、各受講者の分担箇所を決める。
第3回以降数回は、『楚辞』の内容とその注釈史について説明を行い、テキストをどのように読んでゆくかについての大まかな指針を与える。また、古典の世界でもデジタル化は著しいので、それらデジタル資料の使い方とその問題点、紙の本との関係などについても説明する。
5月の適当な時期からは、演習形式で受講生に分担してもらい、実際に作品を読んでゆく。これまで7年度にわたり、冒頭の天地創造や洪水神話に関する部分を読み、禹をはじめとする神話的人物の伝承へと進んできた。
複数の注を併用する上、問題の錯綜する作品を扱うから、きわめてゆっくりとしか進まない。古典を読むことは、それをめぐって交わされた気の遠くなるような議論の積み重ねとつきあうことでもあるが、そのまどろっこしさの中にさまざまな気づきがあることを体感してほしい。