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最終更新日:2024年3月15日

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宗教学宗教史学特殊講義IV

キリスト教文化と対面するユダヤ教:共生と対抗(後編)
 西方キリスト教世界におけるユダヤ人の人口は9-10世紀から大きく増加した。この現象は、キリスト教神学や教会法におけるユダヤ人の描写や位置づけに影響を及ぼし、古代末期以来の伝統的なあり方をしばしば変容させた。他方、ラビ・ユダヤ教においても、キリスト教文化やキリスト教徒との関係性は理念や実生活のレベルで多様化していった。本講義ではその多様な関係性について、いくつかのテーマと時代・地域に注目することで歴史的に検討してゆく。具体的には、12世紀以降の宗教的な論争文学、「ヘブライ的真理」の探究における知的交流、反ユダヤ主義への対抗、近現代におけるユダヤ教とキリスト教の新たな関係性、というテーマを取り上げる。
 本講義の到達目標は、①中世キリスト教世界におけるユダヤ教文化についての理解を深める、②他者の文化への姿勢を通じて形成されるユダヤ人たちの自己理解を明らかにする、③近現代の新たな論点をふまえ、ユダヤ教とキリスト教の関係性についての展望を示す、という3点で構成される。特に③については、講師自身も検討中の論点が多いため、履修者自身の積極的な意見を求めたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04230544
FLE-HU4E03L1
宗教学宗教史学特殊講義IV
志田 雅宏
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
各回の授業内容は以下のとおりである。なお、進捗状況に応じて内容の変更等もありうる。 第1回:西方キリスト教世界におけるユダヤ人の位置づけ 第2回:論争文学①旧約聖書解釈 第3回:論争文学②キリスト教の教義および新約聖書解釈 第4回:論争文学③ラビ文学の解釈 第5回:「ヘブライ的真理」の探究①ヘブライ語で聖書を読む 第6回:「ヘブライ的真理」の探究②カバラーへの関心 第7回:反ユダヤ主義への対抗①第一回十字軍によるユダヤ人迫害 第8回:反ユダヤ主義への対抗②儀式殺人と聖体冒涜 第9回:反ユダヤ主義への対抗③強制改宗 第10回:キリスト教徒から見たユダヤ教①ユダヤ教の儀礼紹介の文献 第11回:キリスト教徒から見たユダヤ教②ユダヤ教は「宗教」か 第12回:近現代におけるユダヤ教とキリスト教の関係①西洋 第13回:近現代におけるユダヤ教とキリスト教の関係②アメリカ合衆国
授業の方法
講義形式でおこなう。
成績評価方法
小テスト(10%)と期末レポート(90%)にて評価する。
教科書
教科書は指定しない。
参考書
参考書については授業内で適宜紹介する。
履修上の注意
本講義で扱う文献はヘブライ語のものが多いが、授業では可能なかぎり試訳をもちいる。そのため、ヘブライ語の知識を履修条件とするものではない。 講義資料は事前にITC-LMSにアップする予定である。受講にあたって予習してくることが望ましい。 ユダヤ教の用語や人物については授業内でも説明するが、必要に応じて百科事典等で予習や復習をすること。文献として、The Oxford Dictionary of The Jewish ReligionとEncyclopaedia Judaicaの二点を推奨する(いずれも宗教学研究室にて所蔵あり)。