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最終更新日:2023年4月20日
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宗教学宗教史学特殊講義IV
キリスト教文化と対面するユダヤ教:共生と対抗(後編)
西方キリスト教世界におけるユダヤ人の人口は9-10世紀から大きく増加した。この現象は、キリスト教神学や教会法におけるユダヤ人の描写や位置づけに影響を及ぼし、古代末期以来の伝統的なあり方をしばしば変容させた。他方、ラビ・ユダヤ教においても、キリスト教文化やキリスト教徒との関係性は理念や実生活のレベルで多様化していった。本講義ではその多様な関係性について、いくつかのテーマと時代・地域に注目することで歴史的に検討してゆく。具体的には、12世紀以降の宗教的な論争文学、「ヘブライ的真理」の探究における知的交流、反ユダヤ主義への対抗、近現代におけるユダヤ教とキリスト教の新たな関係性、というテーマを取り上げる。
本講義の到達目標は、①中世キリスト教世界におけるユダヤ教文化についての理解を深める、②他者の文化への姿勢を通じて形成されるユダヤ人たちの自己理解を明らかにする、③近現代の新たな論点をふまえ、ユダヤ教とキリスト教の関係性についての展望を示す、という3点で構成される。特に③については、講師自身も検討中の論点が多いため、履修者自身の積極的な意見を求めたい。
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