学部後期課程
HOME 学部後期課程 フランス語圏言語文化
過去(2022年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

フランス語圏言語文化

フーコー『<社会は防衛しなければならない>』ーフランス王国起源論と近代歴史叙述の生成
ミシェル・フーコーが1976年にコレージュ・ド・フランスで行った講義「<社会は防衛しなければならない>』を日本語で通読する。この講義で、フーコーはフランス近世に華々しく議論されたフランス王国の起源をめぐる論争を取り上げ、とりわけ貴族的な反絶対君主政論者であったアンリ・ド・ブーランヴィリエの「ゲルマン起源説」の<従属知>において、後年のマルクス主義の階級闘争史観や、20世紀の人種主義につながる歴史観の登場を認めている。その後、『安全・領土・人口』、『生政治の誕生』における自由主義=生政治の系譜学に結びつく議論でもある。このフーコーの議論を通じて、①近世・近代フランスの歴史叙述と、②フーコーによる権力の系譜学への導入を図る。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04223221
FLE-HU2S04L1
フランス語圏言語文化
王寺 賢太
A1 A2
水曜4限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
フーコー『<社会は防衛しなければならない>』講義を日本語で読みながら、以下のような主題を扱う。 1) イントロダクション 2) 「従属知」とは何か 3) 戦争と権力、主権と規律 4) 支配の分析論としての歴史叙述ーブーランヴィリエ導入 5) 人種主義の対抗的歴史叙述 6) 主権論(ホッブズ)vs. 歴史叙述(ブーランヴィリエ) 7) フランス王国起源論ー16〜18世紀 8) 「国民」の創成ーブーランヴィリエのゲルマン起源説 9) 歴史的知と啓蒙期における知の再編成 10) ブーランヴィリエ以後のフランス王国起源論 11) 歴史叙述とフランス革命 12) 生権力の方へ 13) 予備
授業の方法
受講者には、講義の各回(ないしその半分)のレジュメを担当してもらい、そのレジュメを検討しながら読解を進める。講義担当者からは適宜、歴史的知識やフーコーの議論についての解説を加える。
成績評価方法
レジュメの担当と期末レポートを勘案して評価する。
教科書
ミシェル・フーコー『<社会は防衛しなければならない>』石田英敬・小野正嗣訳、筑摩書房、2007. テキストはPDF形式で適宜配布する。
参考書
ミシェル・フーコー『安全・領土・人口』高桑和巳訳、筑摩書房、2007. ミシェル・フーコー『生政治の誕生』愼改康之訳、筑摩書房、2008. 箱田徹『フーコーの闘争ー<統治する主体>の誕生』慶応大学出版会、2013.
履修上の注意
邦訳をテキストとして読み進めるので、フランス語のできない学生の参加も歓迎します。