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最終更新日:2024年3月15日

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宗教史学演習Ⅰ

環境倫理文献購読
いわゆる環境倫理と呼ばれる分野における文献を日本語で講読する演習。講義形式と演習形式を併用する。
 本演習では今までJ. Miller, D. S. Yu, & P. van der Veer ed., Religion and Ecological Sustainability in China, M. Tucker & D. Williams ed., Buddhism and Ecology: the Interconnection of Dharma and Deed(2015年度)、リン・ホワイト『機械と神―生態学的危機の歴史的根源』、ロデリック・ナッシュ『自然の権利』、アラン・ドレングソン、井上有一『ディープ・エコロジー―生き方から考える環境の思想』、ピーター・シンガー『動物の解放』、J. E. ラブロック『地球生命圏―ガイアの科学』、トマス・ベリー『パクス・ガイアへの道―地球と人間の新たな物語』(2016年度)、ファン・ポッター『バイオエシックス―生存の科学』、アルド・レオポルド、『野生のうたが聞こえる』、岩崎茜『アルド・レオポルドの土地倫理―知的過程と感情的過程の融合としての自然保護思想』、石山徳子『米国先住民族と核廃棄物―環境正義をめぐる闘争』、ジョン・パスモア『自然に対する人間の責任』、鬼頭秀一『自然保護を問いなおす―環境倫理とネットワーク』(2017年度)、ウルリヒ・ベック『危険社会―新しい近代への道』、ベアード・キャリコット『地球の洞察―多文化時代の環境哲学』、ジェームス・スワン『自然のおしえ 自然の癒し―スピリチュアル・エコロジーの知恵』、桑子敏雄『生命と風景の哲学―「空間の履歴」から読み解く』(2018年度)、シュレーダー=フレチェット『環境の倫理』、R.D.ソレル『アッシジのフランチェスコと自然―自然環境に対する西洋キリスト教的態度の伝統と革新』、クレッカー&トゥヴォルシュカ『環境の倫理』、福永真弓『多声性の環境倫理―サケが生まれ帰る流域の正統性のゆくえ』(2019年度)、オット&ゴルケ『越境する環境倫理学―環境先進国ドイツの哲学的フロンティア』、フランク・ユケッター『ナチスと自然保護―景観美・アウトバーン・森林と狩猟』、尾崎和彦『ディープ・エコロジーの原郷―ノルウェーの環境思想』、石坂晋哉『現代インドの環境思想と環境運動―ガーンディー主義と〈つながりの政治〉』、真実一美『環境と開発―インド先住民族、もう一つの選択肢を求めて』(2020年度)など、環境倫理に関する著名な著作を講読してきた。本年度も継続して環境倫理の書を講読していく。
 今までの講読で明らかになったのは、いわゆる応用倫理と呼ばれる分野の中には、意識的である場合も無意識的な場合もあるにせよ、何らか宗教的な感覚が入りこんでいるということであろう。現代社会における宗教は、既に宗教であることを標榜する団体によってのみ担われているのではない。本人が意識していない場合でも、宗教的な論理や感覚が非宗教的(世俗的)な領域に浸透しており、それが現代における宗教という景観の一面を構成しているのである。環境倫理の言説もその背景にある宗教や文化の感覚に多分に影響されているのであり、講読を通して、そのような現代的宗教性を明らかにしていきたいと考えている。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04220571
FLE-HU4E05S1
宗教史学演習Ⅰ
池澤 優
S1 S2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
 本年度は以下の書を読むことを予定している。 吉永明弘・寺本剛『環境倫理学』、昭和堂、2020。 徳永哲也『ベーシック生命・環境倫理学―「生命圏の倫理学」序説』、世界思想社、2013。 徳永哲也『プラクティカル生命・環境倫理学―「生命圏の倫理学」の展開』、世界思想社、2015。 加藤則芳『森の聖者―自然保護の父 ジョン・ミューア』、山と渓谷社、2012。 アンドリュー・ライト、エリック・カッツ、岡本裕一郎・田中朋宏訳『哲学は環境問題に使えるのか―環境プラグマティズムの挑戦』、慶応大学出版会、2019。 ポール・トンプソン、太田和彦訳『〈土〉という精神―アメリカの環境倫理と農業』、農林統計出版、2017。  但し、講読書は授業開始時までに変更されることがあり得る。
授業の方法
 授業は対面で行う。先ず、最初の3回を用いて、担当講師が今まで演習で講読した本を要約する形で、環境倫理の概要を概論する。この部分は講義形式となる。  次に、講読においては、各書を適宜な長さに区切り、それぞれに担当者を決める。担当者は担当部分を要約して発表し、必要に応じてコメントを加える。他の参加者は、毎回の講読予定箇所をあらかじめ読んでおくことが望ましいが、それは絶対的な義務ではなく、担当者の発表に基づいて討論を行う。標準的には演習一回につき二人の担当者が発表することを予定している。一人の発表時間は概ね40分程度。 発表担当者はレジュメを作成し、配布することが要請される(レジュメは簡単なもので構わない)。
成績評価方法
発表と出席による。発表の内容が成績に反映することはない。万一、履修者数が多い等の理由で、発表の機会を得られなかった場合は、発表者と同様のレジュメの提出によって、発表をしたものと見なす。
教科書
上記参照。講読書はグーグルドライブを使用して利用可能にする。
参考書
授業中に指示する。
履修上の注意
ドタキャンは他の参加者の迷惑になるので、厳に慎んでいただきたい。一度予約した日時に発表が困難になった場合は、速やかにその旨を届け出てもらいたい。病気等の突発事による場合は、下記のメールアドレス、または電話に連絡していただいて構わない。