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最終更新日:2024年4月22日
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宗教学宗教史学特殊講義Ⅸ
社会学年報学派の宗教学思想
デュルケームの宗教社会学はこれまで十全に理解されてきたとは言い難い。たとえば聖俗論、宗教の社会統合機能、人格崇拝、集合的沸騰、あるいは古色蒼然としたトーテミスム論といったステレオタイプのイメージの大半は、デュルケーム自身の議論の誤読に基づいているといっても過言ではない。その大きな要因として、『社会分業論』(1893)や『自殺論』(1897)に代表される前期から中期にかけての社会科学的視角から、『宗教生活の基本形態』(1912)に結実する後期の人文科学的視角への移行が、十分認識されてこなかったという事情を指摘できる。しかも、デュルケームの視角のこのような変化には、『社会学年報』(1898-1913)に関わるユベールやモースらとの共同作業が大きく関わっている。
この授業では、宗教学の視点に立ち、当時の時代背景と問題の所在を確認した上で、デュルケームの変貌をその宗教理解を軸にとらえ直し、さらにモースやユベールとの共同作業の内実を探るなかで、社会学年報学派の宗教学思想がもつ意義を再考してみたい。
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