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宗教学宗教史学特殊講義Ⅵ

南アジアの宗教と社会
 本授業では、多様な宗教文化を伝承してきた南アジアの宗教と社会が織り成す多様な関係性について、特に講師がこれまでフィールド調査を行ってきたバングラデシュとインド東部のベンガル語文化圏における、文化人類学的な現地調査に基づいた事例を通して学習します。
 たとえば、インド西ベンガル地方はヒンドゥー教徒が多数派を占め、農村社会ではヒンドゥー教的世界と密接に結びついたカースト的社会関係が社会基盤を構成しますが、同じベンガル語文化圏である東ベンガル地方は、1947年にイギリスの植民地支配からパキスタンとして独立し、1971年の独立戦争を経てバングラデシュとなり、現在は、ムスリムが多数派を占める国として知られています。このような多様な宗教文化が交錯する南アジアの宗教文化の成り立ちを、主に次の4つの観点から議論します。
(1)インド西ベンガル州の農村社会でのフィールド調査の事例に基づき、ヒンドゥー教的世界と結びついたカースト社会関係の在り方や近年の社会変化について検証する
(2)イスラームのスーフィー聖者への信仰として知られる聖者信仰について、バングラデシュの多様な聖者廟の事例をとりあげ、また、インド側の聖者廟との対比を通して、異質な宗教文化が共生する条件や対立の可能性について検証する
(3)植民地主義的状況や宗教ナショナリズムなどの宗教と政治との多様な関係を背景として、現地の人々による宗教実践を表象する可能性や課題について、聖者信仰や宗教復興運動などの事例を通して検証する
(4)バングラデシュの建国以来のセキュラリズムの理念とイスラーム主義運動の台頭の経緯を、NGO団体の活動や私設のマドラサ学校の普及など、近年の様々な政治・社会状況に基づいて検証する
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04210546
FLE-HU4E03L1
宗教学宗教史学特殊講義Ⅵ
外川 昌彦
S2
集中
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教室
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
第1回 はじめに:農村社会のフィールドワーク 第2回 カースト制度とは何か 第3回 聖者信仰とイスラーム 第4回 バングラデシュの聖者廟とイスラーム 第5回 インドの聖者廟とヒンドゥー教 第6回 聖者廟における現地の人々と人類学者 第7回 南アジアの植民地主義 第8回 ヒンドゥー教の復興運動の展開 第9回 イスラームの復興運動の展開 第10回 バングラデシュの独立戦争とセキュラリズム憲法 第11回 バングラデシュの民主化と宗教 第12回 穏健なイスラーム主義者と急進的な世俗主義者 第13回 まとめ
授業の方法
オンラインによる講義形式の授業です。7月26日から29日までの4日間の集中授業を行います。
成績評価方法
授業への出席とレポートによって評価します。
教科書
『聖者たちの国へ-ベンガルの宗教文化誌』外川昌彦 NHKブックス 2008年 『南アジア社会を学ぶ人のために』 田中雅一・田辺明生編 世界思想社 2010年 『「聖」概念と近代ー批判的比較宗教学に向けて』藤原聖子 大正大学出版気 2005年
参考書
『現代宗教とスピリチュアル・マーケット』山中弘編、弘文堂、2020年 『バングラデシュを知るための66章』大橋正明他編、明石書店、2017年 『アジアの社会参加仏教-政教関係の視座から』外川昌彦・櫻井義秀・矢野秀武編、北海道大学出版会、2015年 『シリーズ現代インド・第1巻・多様性社会の挑戦』田辺明生・杉原薫・脇村孝平編、東京大学出版会、2015年 『よくわかる宗教学』、櫻井義秀・平藤喜久子編、ミネルヴァ書房、2015年
履修上の注意
授業で指示する資料や著作を利用して、レポートの準備を行ってください。