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最終更新日:2024年4月1日
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宗教学宗教史学特殊講義Ⅵ
南アジアの宗教と社会
本授業では、多様な宗教文化を伝承してきた南アジアの宗教と社会が織り成す多様な関係性について、特に講師がこれまでフィールド調査を行ってきたバングラデシュとインド東部のベンガル語文化圏における、文化人類学的な現地調査に基づいた事例を通して学習します。
たとえば、インド西ベンガル地方はヒンドゥー教徒が多数派を占め、農村社会ではヒンドゥー教的世界と密接に結びついたカースト的社会関係が社会基盤を構成しますが、同じベンガル語文化圏である東ベンガル地方は、1947年にイギリスの植民地支配からパキスタンとして独立し、1971年の独立戦争を経てバングラデシュとなり、現在は、ムスリムが多数派を占める国として知られています。このような多様な宗教文化が交錯する南アジアの宗教文化の成り立ちを、主に次の4つの観点から議論します。
(1)インド西ベンガル州の農村社会でのフィールド調査の事例に基づき、ヒンドゥー教的世界と結びついたカースト社会関係の在り方や近年の社会変化について検証する
(2)イスラームのスーフィー聖者への信仰として知られる聖者信仰について、バングラデシュの多様な聖者廟の事例をとりあげ、また、インド側の聖者廟との対比を通して、異質な宗教文化が共生する条件や対立の可能性について検証する
(3)植民地主義的状況や宗教ナショナリズムなどの宗教と政治との多様な関係を背景として、現地の人々による宗教実践を表象する可能性や課題について、聖者信仰や宗教復興運動などの事例を通して検証する
(4)バングラデシュの建国以来のセキュラリズムの理念とイスラーム主義運動の台頭の経緯を、NGO団体の活動や私設のマドラサ学校の普及など、近年の様々な政治・社会状況に基づいて検証する
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