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最終更新日:2024年4月22日

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社会学特殊講義Ⅷ

韓国の社会人類学 Social Anthropology of Korea
 韓国社会の過去と現在について,人々の移動と地域社会/家族の再生産に焦点を合わせて,民族誌・社会人類学的観点からの理解を試みる。
 韓国社会を対象とした社会・文化人類学的研究は,1960~80年代に活発に試みられた農村社会の民族誌的記述を基盤としつつも,韓国の急激な社会経済的変化,人類学のパラダイム・シフトと様々な実験的アプローチの試み,そして特に日本の人類学者にとっては日韓の越境的交流の深化を背景として,1990年代以降,多様な展開を見せるようになっている。そのなかで一つの基調をなしているのが空間・社会移動と社会経済的流動性への着目であり,また人々の日常的な生の営みに対する根強い関心である。この講義では担当教員が収集した資料を,このような新旧の民族誌的な知見を織り込みながら再検討することを通じて,韓国社会を通時的に見通す視角を模索する。ここで,地域社会と家族に緩やかに焦点を合わせた整理を試みるが,まず地域社会,あるいはローカリティは,近年,「マウル」(村落・集落)・「共同体」という古典的な用語に新たな理念や意味を担わせたコミュニティ的諸活動が活発に展開されているように,過去との連続性の仮構と想像的・創造的実践が時にせめぎあい,時に混じりあう場となっている。また家族は,流動性の高い生の営みと当事者たちの交渉を通じて,不断に,かつ再帰的に再編成されている。このような実践としてのコミュニティと交渉される家族を丁寧に腑分けしてゆくことによって,韓国社会の過去と現在を理解する視角を洗練させることができるかと考える。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04204348
FLE-HU4Z03L1
社会学特殊講義Ⅷ
本田 洋
S1 S2
火曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
詳細は開講時に説明するが,以下のような主題を中心に講義を行う予定である。 ・農村社会におけるローカルな関係性,ならびに移動・流動性の諸相とコミュニティ感覚 ・家族の捉え方:社会経済と儀礼,実践親族と公式親族(あるいは家父長制) ・女性と家族・ステータスの再生産:農村社会,儒教的家父長制,都市中産層 ・産業化と家族/地域社会 ・脱工業化・グローバル化・新自由主義と人の移動:早期留学,農村移住 ・祭祀実践と家族の再帰的再編成 ・コミュニティ活動支援プロジェクトとローカリティの再構築
授業の方法
【4月10日修正】文学部・人文社会系研究科での授業開始が4月28日に延期されたことに伴い,下記の通り授業の方法を修正します。 授業は基本的に講義形式で行うが,電子メールでリアクション・ペーパーを提出してもらい,授業中にそれに対する回答やコメントを行うことで,相互性を確保する。初回で1980年代までの韓国社会の変化を概観したうえで,2回目から各論に入る。
成績評価方法
平常点(リアクション・ペーパー)と期末レポートによる。
教科書
【4月11日修正】4月14日・21日オンライン・ガイダンスを含め,資料は前日夕方までにITC-LMSにアップロードします。事前にダウンロードしておいてください。
参考書
伊藤亜人『暮らしがわかるアジア読本韓国』(河出書房新社, 1996年)。 伊藤亜人『珍島:韓国農村社会の民族誌』(弘文堂, 2013年)。 本田洋『韓国農村社会の歴史民族誌:産業化過程でのフィールドワーク再考』(風響社, 2016年)。 小林和美『早期留学の社会学:国境を越える韓国の子どもたち』(昭和堂, 2017年)。 他,適宜授業時に紹介する。
履修上の注意
【4月11日修正】文学部・人文社会系研究科での授業開始が4月28日に延期されたことに伴い,下記の通り履修上の注意を修正します。【4月10日修正】は一部日付が間違っていましたので気を付けてください。 授業は4月28日にオンラインで開始しますが,4月14日と4月21日にオンライン授業のテストを兼ねて同じ内容でガイダンスを行いたいと思います。
その他
【4月11日】不明点は遠慮なく下記メールアドレスに問い合わせてください。