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最終更新日:2025年4月21日

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原典講読IV

美学テキストとしてのデカルト『情念論』フランス語原典の精読の続き
原典講読IIIに続いてデカルト『情念論』のフランス語原典を精読します。西洋の近代美学史においてデカルトはそれほど注目されてきた訳ではありません。しかし、近代的な情念・感情論の基本テキストである彼の最後の著作『情念論(Les Passions de l'âme)』には、18世紀に成立する近代美学の核心に深く関わる論点が既に示されています。この授業では、デカルトのこの著作をフランス語で精読しその内容について参加者同士で議論することで、「情念」そして「感情」の美学的意義についての考察の基礎を獲得することを目指します。特にこの原典講読IVでは、デカルトによる「虚構の快」やそれと関連する「憐れみ」の議論と、これらの議論の「内的情動」や「高邁」そして「驚き」との更なる根本的な繋がりに着目します。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
04200624
FLE-HU2F06L1
原典講読IV
馬場 朗
A1 A2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
文学部
授業計画
デカルトの『情念論』のフランス語原典を、特に文法的構文の正確な把握を常に意識しつつ、またデカルトによる「情念(passion)」概念とこれに関連する諸概念のフランス語原語を確認しながら、精読していきます。厳密な「心身二元論」にたつデカルトが、その二元論を何とか維持しつつも「心身合一」の問題圏に取り組むことのなかに、現代の美学的関心にとっても重要な複数の問いかけがあることを確認していきます。
授業の方法
『情念論』は割と短い節で展開していきますので、一回の講読で二~三節ずつ、長い節を含む場合であれば一~二節ずつ読み 進めていきます。精読は一回ごとに参加者の皆さん全員になるべく訳読が当たるかたちであてていきます。ですので、皆が一回 ごとの訳読箇所を予習してあることになります。一節の訳読が終わった段階で皆で議論を為ます。一〇節ほど読み進めたとこ ろで、複数の担当者を決めてレジュメを作ってもらいデカルトの議論について振り返りつつ皆の前で纏めてもらい、皆で改め て議論をします。
成績評価方法
出席の他に、まずは積極的な授業参加や訳読の際のフランス語テキストの構文把握力、そしてレジュメ発表の出来などを中心に、平常点で成績をつけます。
教科書
René Descartes, Les Passions de l'âme, Flammarion, 1998.
参考書
こちらで授業中に適宜指示します。 邦訳としては、以下の最新の岩波文庫版のものが簡便かと思います。 デカルト『情念論』(谷川多佳子訳)、岩波文庫、二〇〇八年。
履修上の注意
第一回目で、テクストの時代背景等の説明だけでなく、授業の進め方やレジュメ作成と発表者などを決めます。